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減塩を望むか?塩の代わりに塩化カリウムを考えなさい

Want to Lower Your Sodium Intake? Consider Potassium Chloride Instead of Salt

By Michelle Pugle

Healthline 2019.05.23

食品製造者が製品にミネラル塩を使用することをFDAは奨励している。既に塩が入っている幾つかの食品がある。

塩化カリウムについて食品表示をチェックすれば、減塩と血圧低下は容易であるかもしれない。ミネラル塩化合物は通常の食卓塩(塩化ナトリウム)に対する代替物として食品産業界で使われている。塩化カリウムは毎日の塩摂取量を増加させないで消費者に風味を提供すると専門家達は述べている。また、カリウム摂取量を増やすという追加の利点もあり、血圧調節を改善できる。食品医薬品局(FDA)当局は先週、食品製造者にミネラルの使用を奨励することを期待する勧告を発表した。FDAのガイダンスにより、製造業者は成分に「塩化カリウム塩」の標示を付けられる。「塩化カリウムに塩という用語を追加すると、製造業者はこのナトリウム代替を使用するようになり、消費者は塩化カリウムが食品中の塩化ナトリウムに取って代わられることを理解するのに役立つ可能性がある。」と勧告は述べている。「これは米国の人口が過剰に摂取している塩摂取量を減らすのに役立つ可能性があるが、消費されていないカリウムを増やすのに役立つ可能性がある。 

塩化カリウムのある食品

 栄養学と栄養士アカデミー代表のキャロライン・ウエスト・パッセレロによると、塩化カリウムは塩代替物だけでなく次の食品にもある:

  スナック・バー

  スープ

  ポテト・チップス

  セリアル

  冷凍料理

栄養学者で「スキニー肝臓:新しい無症状流行脂肪肝疾患を予防し逆転させる実証済みプログラム」の著者であるクリスティン・カークパトリックは、塩化カリウムは次の製品でも一般的に含まれている:

  電解質代替ドリンク

    調味料

    肉製品

しかし、各製品中の塩化カリウム量は少ない傾向である。「塩化カリウムはかなり苦いので、通常、大量ではなく、少量で「塩辛い」味を出せる。」とカークパトリックはヘルスラインに語った。

 健康利益

 FDA代表者ネイサン・アーノルドによると、食卓塩の代替物として塩化カリウムを選ぶことは幾つかの健康利益がある、すなわち、ナトリウム摂取量を減らし、カリウム摂取量を増やす。「現在、アメリカ合衆国の平均ナトリウム摂取量は、勧められている2,300 mg/dayと言う制限値と比較して3,400 mg/dayである。ナトリウム摂取量の増加は高血圧危険率の増加と関係しており、高血圧は心血管疾患の危険因子である。」とアーノルドはヘルスラインに語った。

 他方、「アメリカ合衆国でカリウム摂取量は連邦勧告値と比較して一般的に低い。十分なカリウム摂取量は血圧制御の改善に役立てられる。」とアーノルドは説明した。

 パッセレロとカークパトリックは両方とも同意する。ナトリウム摂取量を監視している人には、毎日のナトリウム摂取量に追加されないため、塩化カリウムを含む食品を探すことを、カークパトリック氏は勧めている。「典型的な西欧食はナトリウムが多すぎ、食事中のナトリウム含有量を少しでも減らすことは心臓発作や脳卒中-両方とも主要な死因と考えられている-に対する保護に役立つことを示している多くの研究がある。」とカークパトリックは言った。

 しかし、登録栄養士で減量の専門家であるアンディ・デ・サンティスは完全に納得している訳ではない。「塩化カリウム自体を健康上の利点と関連付けられない。」と彼はヘルスラインに語った。「多くの北アメリカ人が多すぎるナトリウムを摂取しているのは本当であるが、通常の食卓塩が人々の食事にとって主なナトリウム源であることは希で、したがって、塩化カリウムを含む塩代替物に替えることは摂取量に劇的に影響を及ぼすか、あるいは及ばさないかもしれない。」加工食品やレストラン食品が個人の食事で主要なナトリウム源である、とデ・サンティスは言った。これらを制限することは総合的なナトリウム摂取量を減らすためにより良い方法である。さらに、食品に塩化カリウムが含まれているからと言って、必ずしも完全にナトリウムが含まれていないとは限らない。「それらは必ずしも相互に排他的ではなく、両方を使用する多くの製品を見つけることも珍しくない。」と彼は言った。

幾つかの健康上の概念

 「塩化カリウムは健康的な食事の本質的な部分ではない。」とデ・サンティスは説明した。事実、複数の薬を服用している人や腎臓の健康状態が悪い人には、健康に悪影響を与える可能性がある。「これらの人々は塩代替物として塩化カリウムを使うことについて非常に注意しなければならない。摂取しているカリウム量に気付いていない可能性があり、続ける前に医者に確認する必要があるからだ。」とデ・サンティスは言った。

 パッセレロは同意している。「カリウムの尿中排泄に障害のある特定の病状者(例えば、腎不全、糖尿病など)はカリウムの推奨量について医者と相談する必要があり、塩化カリウムのある食品を制限するまたは避ける必要があるかもしれない。」と彼女は言った。しかし、健康な人々にとっては、塩化カリウムは害を及ぼす可能性は低い、と彼女は付け加えた。 

食品表示のチェック法

 好きな食品の標示に塩化カリウムがなければ、それがあるものと思っておく。最近のFDAガイダンスは塩化カリウムをリストに入れるように奨励している。「この変化は、塩化カリウムがカリウムを含む利点を加えたナトリウムをベースにした塩と同様の成分であると言う消費者の認識を増加させるかもしれない。」とアーノルドは言った。今のところ、標示にある塩化カリウムはナトリウムのない塩代替物を指す。 

自然食品がまだ最も健康的な選択

 食事専門家達の間には、人の健康のための最良の選択は依然として自然食品であるという強いコンセンサスがある。「ほとんどのアメリカ人は減塩と公衆衛生上の懸念で十分に摂取されていない栄養素であるカリウム摂取量の増加を必要としながら、加工食品をもっと減らし、果物やアボガド、さつまいも、ほうれん草、および白豆または黒豆のような野菜をもっと食べることに焦点を置くべきである。」とパッセレロは言った。そのような自然食品は自然のカリウム源であり、健康的でバランスの取れた食事である。デ・サンティスは同意している。「大部分の人々は果物、野菜、ナッツ、種子、およびさや豆のような健康に良い栄養素の高い食品からカリウム摂取を追求すべきである。」と彼は言った。

結論

 FDA当局は、食品製造者が実行可能なナトリウム代替品として塩化カリウムを製品に入れることを奨励している。ミネラルはナトリウム摂取量を減らし、カリウム摂取量を増やすことに役立つ。しかし、病状が懸念される場合、人々はナトリウムを塩化カリウムと替える前に医者に相談すべきである。結局、果物、野菜、ナッツ、さや豆のような自然食品の食事をすることが健康的に生活するための最良の戦略である。