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国際的な専門家達は食事ガイドラインをあまりにも制限し過ぎると考える

International Experts Call Salt Guidelines Far Too Restrictive

By Larry Husten

http://www.cardiobrief.org/より  2017.02.14

 

 国際的な専門家達の幅広いグループは現在のアメリカ合衆国や国際的なガイドラインよりも減塩もっと緩やかであまり厳しくない提案を勧めている。The European Heart Journalのオンラインで発表された新しい論文で、彼等はその分野の知識の幅広いギャップにも焦点を置き、高品質のエビデンスと研究の不足に注意を引き付けた。再び、このアプローチは塩摂取量の劇的な低下の利益を権威的に主張している現在のガイドラインの非難を表している。

 世界的に塩摂取量は平均約10.0 g/dと推定されているが、幅広い地域的と文化的変動がある。ほとんどのガイドラインは、塩摂取量は5.8 g/d以下に減らすことを勧めているが、アメリカ心臓協会(AHA)はさらに進めて3.8 g/d以下を勧めている。対照的に、新しい論文の著者らは12.7 g/d以下に減らすことを勧めた。その理由は“(12.7 g/d以上の)高い塩摂取量は心血管疾患の危険率増加と関係していると言う首尾一貫したエビデンスがある、”からである。しかし、この目標を支持する良いランダム化比較試験のエビデンスはないことを彼等は大まかに知っていた。そして彼等は他のガイドラインのより低い目標を明快に拒否し、“心血管疾患予防にために塩摂取量の低い最適量についての科学的論争が進行中である”と説明した。

 新しい論文はWHOAHAガイドラインにおけるようなあまりにも低すぎる塩摂取量の潜在的な危険性も強調した。“ナトリウムは必須栄養素である。塩摂取量と心血管疾患との間にはU字型関係があるに違いないが、その最低危険性が何処にあるかについてのコンセンサスはないことをこれは暗示している、”と著者らは書いた。

 

内面の反乱

 AHAWHO、その他機関によって宣伝されている極端な勧告値に対して国際高血圧、栄養、公衆衛生機関内の反乱を本論文は幾つかの観点から反映した。この理由のため、専門委員会内の国際的な決裂を避けるために、論文は“世界心臓連盟、ヨーロッパ高血圧協会そしてヨーロッパ公衆衛生協会の合同作業グループ”からの“技術報告書”として表題を付けた。表面上、論文は低・中収入諸国の塩摂取量についてであるが、大多数の論文は高収入諸国を扱ってきた。

 私に説明した著者の何人かは“技術報告書”として表題を付けられているので、作業グループによって提出された数百に及ぶ個別の機関からの承認または認可を求めなかった。多くが一つの形態または別の極端な減塩を既に承認していることを考えると、多くのグループからの承認を得るのは不可能に近かった。

 論文の全表題は“世界心臓連盟、ヨーロッパ高血圧協会そしてヨーロッパ公衆衛生協会の合同作業グループによる低・中収入諸国の塩摂取量と心血管疾患に関する技術報告書”である。報告書の著者らの中にはジセッペ・マンシア、スザンヌ・オパリル、ポール・ウェルトンのような著名な高血圧専門家がいる。

 “高塩摂取量の集団は低塩摂取量の集団よりも多い死亡や心血管疾患件数であることに我々は全て同意している、”と共著者ミカエル・ウェバーは言った。“しかし、それよりももっと微妙なことが問題である。”アメリカ心臓協会の勧告は“強く証拠に基づいていないことである。”

 ガイドラインとははっきりと対照的に、技術報告書は明確で詳細なガイドラインを確定することが難しい分野における多くの限界に注意を呼び起こした。個人と大集団の両方で信頼性良く塩摂取量を測定することは非常に難しいと報告書は述べ、心血管疾患の終末まで大規模、長期間のランダム化比較試験を行うことはもっと難しい。“ガイドラインは5.8 g/d以下の塩摂取量を勧めているが、利用できる客観的な測定によって塩摂取量は支持されていないので、医者と患者の両方に対してこの目標値は相対的に意味がない、”と彼等は書いた。

 “動機はナトリウム領域における信頼できる証拠が欠如していることであった。主として個人の塩摂取量測定がとても難しいために、発表されているほとんどの研究は弱……実際にどの研究もいかがわしく、あるいは間違ってさえいた。”とウェバーは言った。たとえ低塩摂取量は有益であると証明されたとしても、全集団にこれらの低塩摂取量を達成させられると言う証拠はないと専門家達は指摘した。“集団全体に低塩摂取量を勧めているにもかかわらず、美食家で低塩摂取量を続けられることは示されたことがない。”と彼等は書いた。

 

低塩摂取量帝国の逆襲

 厳格なナトリウム・ガイドラインの絶対的な擁護者達は新しい論文を納得しなかった。新しい米国心臓病学会/米国心臓協会の高血圧ガイドラインを書いた委員会メンバーのシドニー・スミスは次のように言った。“アメリカ合衆国のための米国心臓病学会/米国心臓協会ガイドラインで2013年の勧告からの変更を支持するために論文には新しい証拠はない。”

 アメリカ心臓協会の科学と医学主任のローズ・マリー・ロバートソンは作業グループ報告書とアメリカ心臓協会の立場との間の差を最小限にしようと試みた。“我々は内容の大部分については同意している。”作業グループの報告書は、減塩と血圧低下との関係に疑問を持っておらず、両グループは血圧低下が重要優先事項であることに同意していることでアメリカ心臓協会と“一致”していることを彼女は指摘した。

 “点をつなぐ”大規模試験を行うことは極端に難しいので-減塩は血圧を下げ、それによって心血管疾患を減らすことを示す-“現在の状況を改善しようと試みないことは無責任である”とロバートソンは言った。アメリカ心臓協会の立場は“生物学的に意味”があり、“人々は今、どれくらい摂取するかを”知りたい、と彼女は言った。

 コレステロールや飽和脂肪酸の摂取量に対するアメリカ心臓協会の初期の勧告値の悪影響の線に沿って、減塩勧告は意図しない結果をもたらすかもしれないことに彼女は感心を持っているかどうかを私はロバートソンに尋ねた。アメリカ心臓協会や他の専門家達はこのレッスンを学んで保健統計と傾向をモニターしていると彼女は言った。我々は“タカのようにこれらの事項を見張っている、”と彼女は言った。

 

研究の必要性

 一見しただけで、ガイドラインに盛り込むため作業グループがより多くの研究を呼び掛けは重要でないように見えるかもしれない。発表されている科学論文の大多数は同じ様な結論に達しているからである。しかし、この呼びかけは、この文脈では単なる決まり文句以上のものになる。しっかりした権威あるガイドラインは重要な研究を邪魔するために役立つかもしれないことが次第に明らかになっている。

 作業グループ報告書の筆頭者であるマンシアは、“証拠が弱い分野で強い勧告を出そうとすれば、潜在的にネガティブな影響を及ぼすガイドラインは将来の研究に影響を及ぼすかもしれない。答えは既にガイドラインにあるので、必要のない研究を考えるかもしれない倫理委員会によって却下されたプロジェクトを行う危険性を述べないで、さらなる研究に取り組むための潜在的なスポンサー機関と研究者達を落胆させる。”

 作業グループ報告書は“臨床調査研究でもっと厳格な方法論を本当に訴えている。信頼できる証拠を一度得れば、我々は支持できるガイドラインと勧告値に移行できる。しかし、これは多分、数年先のことである。”とウェバーは付言した。