塩感受性:遺伝子と生理学的指標および塩味知覚と塩摂取量に及ぼす効果
Salt Sensitivity: Genetic and Physiological Markers and Its Effects on Salt Taste Perception and Intake
St Mary’s University Open Research Archive 2019.02.07
要約
血圧の塩感受性は高血圧者と正常血圧者の両方にとって独立した心血管疾患と死亡の危険因子である。健常人でこの遺伝子表現型をより良く理解することは高血圧や心血管疾患の効果的な予防に役立つかもしれない。塩感受性は遺伝的に決定され、塩味知覚と摂取量との間の関係に影響を及ぼすかもしれない。この論点から、塩感受性バイオマーカー開発における遺伝子情報を使用する可能性と同じほど遺伝子、血圧の塩感受性、塩味知覚と塩摂取量との関係を総合的に調査した。調査集団は若者から中年の健常な成人で構成された。塩感受性は低塩摂取量(3 g/d)で7日間と高塩摂取量(18 g/d)で7日間の血圧変化として定義された。塩味知覚はイギリス標準研究所で使われている感覚解析法(BS ISO 3972:2011)で確認された。塩摂取量は確認された食品摂取頻度のアンケートと5段階の複合パス法に基づいた24時間食事思出法で調査された。DNAはナトリウムとイオン・チャネルとトランスポーターについて遺伝暗号を指定しているSLC4A5、SCNN1B、TRPV1遺伝子の単一核酸多形について分類された。タンパク質の形態は、酵素と関連した免疫吸着剤分析(ELISA)のような臨床設備を直ちに使う方法に関して初めて焦点を置いて尿中エキソソームから測定された。Rs7571842(SLC4A5)のAA遺伝子型を持った参加者は最高の血圧上昇(△SBP=7.75 mmHg、p=0.002)を示したことを結果は示した。遺伝子と塩摂取量と同様に遺伝子と塩味知覚との間には関係が見られなかった。血圧の塩感受性と塩味知覚、塩摂取量との間にも関係は観察されなかった。これらの結果はさらに大規模な研究調査を要求している。それにもかかわらず、塩味嗜好または塩摂取量増加と関係した健康リスクの認識は若者や健常人の塩摂取量を促進させるかもしれず、さらなる研究を要求している。調査されたSNPsの機能的な効果と共に、血圧の塩感受性にSLC4A5を含めることはそれを塩感受性の遺伝子的生理学的標識についての候補者とする。さらに最適化されれば、尿中エキソソームからの塩感受性についてELISA測定は臨床試験における選択法として役立つかもしれない。