ナトリウムの難問
進化する勧告値とその意味
The Sodium Conundrum
Evolving Recommendations and Implications
By Leahy, Marge
Nutrition Today 2019.01/02
要約
慢性疾患の危険率に対する塩摂取量の潜在的な寄与は長年の探求領域であった。現在、国立科学・技術・医学アカデミー委員会は過剰摂取量、不十分な摂取量、慢性疾患の危険率低下に目を向けた最新のエビデンスを評価して、ナトリウムとカリウムについての2005年食事参考摂取量を更新するために作業中である。2件の最近の報告は国立科学・技術・医学アカデミーのレビュー:ナトリウム、カリウム、慢性疾患に関連した科学の総合的なレビューと食事参考摂取量の設定で慢性疾患を考えるためのガイドラインを支持している。減塩の取り組みは何年間も行われてきたが、現在の摂取推定量は勧告値をかなり上回っている。最近、アメリカ食品医薬品局は150種の食品カテゴリーについて自発的な減塩目標に関するガイダンス案を発表した。このレビューはアメリカ栄養学会2018年総会のセッションに基づいており、そこでは減塩に向けたこれらの進展、進歩、難問、そして機会を議論するために第三者を集めている。
アメリカ政策立案者達はほとんど50年間アメリカ人の食事中の塩を減らすように勧めてきた。アメリカ人口について現在の平均塩摂取量は8.7 g/dで、2005年の食事参考摂取量より十分に多い。食事参考塩摂取量は十分な摂取量(AI)については3.8 g/dで、許容上限値(UL)は5.8 g/dである。2015 – 2020年のアメリカ人食事ガイドラインは、健康的な食事パターンの一環としてアメリカ人は5.8 g/d以下の摂取量を勧めている。これらの勧告値を達成することは難しいことが分っており、塩摂取量は50年間比較的一定のままである。塩の摂取し過ぎは確かな関心事のままである。様々な専門委員は異なった結論を出している科学を調査してきたが、減塩は高い血圧を下げる、すなわち、高血圧危険率を下げると言う一般的な同意がある。高血圧は脳卒中、心筋梗塞、死亡の危険性を反映した有効な代わりとなる終末点である。独立して高血圧に及ぼすカリウムの保護的な役割、または体のナトリウム管理に及ぼすカリウムの影響を通した役割と言う新しく出てきたエビデンスもある。国際生命科学研究所の北アメリカ支部によって組織されたアメリカ栄養学会2018年総会のセッションは、塩摂取量と慢性疾患との関係、そして食品供給で減塩に関連した進歩と挑戦をより良く理解するために最近の発展をレビューする第三者を集めた。本論文はこれらの発表と討議をレビューする。
減塩を目的とした政策の取り組みが進められてきた。2010年に医学研究所報告書は食品供給で減塩するように勧めた戦略を提供した。重要な点は、全食品供給を含めることと、同時に試供サイズの会社の製造業者による応答を促進することの必要性を含んでいた。消費者教育を含めて減塩のために多面的な努力をしてきたが、塩摂取量の70%以上は市場の加工食品と調理済み食品から来ていることを考えると、個人が塩摂取量を管理することは難しい。幾つかの食品の減塩に業界が成功しているにもかかわらず、多くの食品は食事に実質的な塩分量を供給し続けている。減塩は味付け、安全性(細菌増殖と腐敗を管理)、テクスチャーや色の維持、コスト低減の面で食品製造業者に技術的挑戦を要求している。
アメリカ人口の食事中のナトリウム源は食品供給を通して広く広がっている。国民健康栄養試験調査(NHANES)の食事摂取量データ部の我々はアメリカで何を食べているかと言う2013年から2014年までのごく最近のアメリカ摂取量データの解析は、平均してアメリカ人口の2年間または老人は8.7 g/dの塩摂取量であったことを明らかにしている。この値は食卓で加えられた塩を含んでいない。表1はアメリカ人の食事で塩の給源に関する情報を提供している。
表1 食事中の塩給源に関する事実 |
平均してアメリカ人口の2年間または老人は8.7 g/dの塩摂取量であった。 |
塩は食品供給を通して分散されており、塩摂取量の70%は25種類の食品から来ている。1種類の食品では全塩摂取量の7%以上になることはない。 |
塩摂取量のほとんどは店で購入された食品からであった(61%);しかし、塩含有率(mg/1000 kcal)はレストランで食べた食品で最高であった。 |
待機スタッフのいるレストランで食べた食品は一番高い塩含有率であった。 |
記載されている値には食卓で加えられた塩を含まない。 |
過去10年間にわたって食品産業界は著しい減塩努力をしてきた。塩摂取量と健康結果に関連した身体科学、塩摂取量のモニターと評価、食品供給における減塩などを調査する挑戦が必要である。塩と健康の関係と科学に基づく政策をより良くするために食品中の塩の役割を理解させようとする多くの努力が行われている。
塩摂取量に焦点を置いて食事参考摂取量を更新するためのプロセス
食事参考摂取量は健康な人々の栄養摂取量を計画し調査するために使われる一連の参考値である。これらは幾つかの目的のためにアメリカとカナダの政府が使うために発展してきた。それらの目的には食事ガイドライン、栄養政策、栄養モニター、栄養表示と研究が含まれており、幾つかを挙げると軍隊、食品業界、補助食品業界で使うためである。2005年の医学研究所報告書は成人について3.8 g/dと言う十分な摂取量と5.8 g/dと言う上限塩摂取量を設定した。成人についてのカリウムの十分な摂取量は4.7 g/dで、上限は設定されていなかった。食品から摂取するカリウムの悪い効果のエビデンスはなかった。両方の栄養素について推定平均要求量を設定するにはデータが十分ではなかった。表2はナトリウムとカリウムについて十分な摂取量と上限摂取量についての根拠を提供している。
表2 ナトリウムとカリウムについての2005年の十分な摂取量と許容上限摂取量 |
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ナトリウム |
カリウム |
十分な摂取量 |
1500 mg/da |
4700 mg/db |
十分な摂取量についての根拠 |
起こりうる毎日の損失量を補い、他の栄養素の十分な摂取量を供給し、正常な機能を維持する |
塩摂取量に基づいて低い血圧を維持し、血圧に及ぼす塩化ナトリウムの悪い効果を減らし、腎臓結石再発の危険率を減らし、あるいは骨損失を減らす |
許容上限摂取量 |
2300 mg/dc |
健常人では十分な摂取量以上の過剰なカリウムは直ちに尿中排泄されるので上限値は設定されなかった |
許容上限摂取量についての根拠 |
血圧。ナトリウム摂取量と血圧との関係は進行的、連続的であり、他の要因が血圧に影響する(体重、運動、カリウム摂取量、食事パターン、アルコール摂取量、そして遺伝)ので、十分な摂取量を正確に設定することは難しい |
食品からのカリウムの高い摂取量が悪い効果を示すエビデンスはない |
a 年齢19 - 50歳、他の十分な摂取量は中間のエネルギー量に基づいて外挿された。 |
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b 年齢19 - 70歳以上、年齢1 - 18歳についての十分な摂取量は中間のエネルギー量に基づいて外挿された。 |
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c 年齢19 - 50歳に基づいて、年齢1 - 18歳についての上限摂取量は中間のエネルギー量に基づいて外挿された。 |
アメリカとカナダの政府は1990年代半ば以来食事参考摂取量の進展のために共同してきた。カナダとアメリカの共同作業グループは、食事参考摂取量が正確であり続け、現在のエビデンスに基づいていることを確実にする効率的なプロセスを開発すると言う目標を持っている。共同作業の目的は食事参考摂取量の必要性を明らかにし、栄養素に関するレビューの優先順位付けをし、将来のレビューに影響を及ぼす方法論的な問題を解決するための作業を進めることである。2013年に、栄養素と前の食事参考摂取量報告書でレビューされた関連物質の新しい食事参考摂取量レビューのための計画に役立てる食事参考摂取量設定作業を作業グループは行った。鍵となる要求は、新しい科学を考察に利用することであった。ナトリウムは一層の考察のために優先された4栄養素の中の1つであった。また、議会は2005年のナトリウム参考摂取量の更新を行うことに最近方向付けをした。ナトリウムとカリウムの生理学と健康との相関関係があるとして、カリウムをレビューに含める。国立科学・技術・医学アカデミーの健康と医学部門(前の医学研究所)はこの作業の担当である;専門委員会が招集され、2019年初頭に最終報告書が期待されるように、その作業が進められている。レビューは2件の新しい報告書の考察を含んでいる。第一に、将来の食事参考摂取量に慢性疾患の終点を含めるための指導原理に関する2017年の国立科学・技術・医学アカデミー報告書はガイドラインと慢性疾患の終点を考察するためのより特別な枠組みを提供している。第二に、医療研究品質局によって行われた総合的なエビデンスのレビューは心血管と腎臓結果にナトリウムとカリウムを関係付けるエビデンスに関する疑問を呈するように依頼された。
新しい食事参考摂取量レビューは関連した慢性疾患の終点と共に欠乏、不足、毒性の指標を考察する。スポンサーはカナダ保健省、国立衛生研究所、アメリカ疾病予防管理センター、アメリカ食品医薬品局、アメリカ農務省、カナダ公衆衛生局である。食事参考摂取量のレビュー委員会は新しい医療研究品質局のレビューと指針報告書を考察するが、彼等は考察を進展させる上でこれらの報告書に限定されない。2013年医学研究所報告書は、塩摂取量と様々な危険集団の健康結果、集団の減塩戦略実行、そしてこれらを表現する研究ギャップと方法に関する設計、方法、結論を調べた。これは鍵となる疑問に関して追加の展望を提供している。
慢性疾患に対するナトリウムとカリウムの関係に関して最近の科学が言っていること
食事参考摂取量でナトリウムとカリウムのレビューを用意するために、慢性疾患に対するナトリウムとカリウムの関係に関する医療研究品質局の総合的なエビデンス・レビューは保健福祉省とアメリカ農務省によって資金援助された。総合レビューのような依頼は食事参考摂取量設定過程の構成要素となった。医療研究品質局のエビデンスに基づく実践センターと通して医療研究品質局はアメリカ合衆国の医療品質を改善する彼等の努力で公的機関と私的機関を支援するために総合レビューの進展を主催している。そのようなレビューは参考摂取量の本質を示唆または扱っていないが、委員会メンバーが利用できるエビデンスの強さや本質を容易に見られるようにする方法でエビデンスを整理している。総合レビューは利用できる研究調査からの強さと限界を明らかにするために、エビデンスに基づく実践に対する鍵である。これらのレビューは厳密性を提供し偏向を最小限にするために特別な方法によるガイドラインに従っている。スポンサーはナトリウムとカリウムのレビューのためにプロトコールを提供した。それは技術専門委員との相談で令和・チームによって正確にされた。プロトコールは総合レビュー・プロトコールのためのデータベースであるプロスペロで出版された。予備登録したプロトコールは偏向の危険性を最少にするために勧められている。ほぼ16,000件の独特な引用がレビューされ、レビューに適格な171研究に関して257件の出版が含まれる結果となった。要約表が作成され、データを解析し、結論のためにエビデンスの強さを等級付けした。報告書案が同僚と公開レビューのために出版された。その後、報告書は2018年6月に出版された最終発表で改訂された。
このレビューの目的は心血管疾患と腎臓疾患結果に及ぼすナトリウム摂取量とカリウム摂取量の効果に関するエビデンスを明らかにすることであった。それぞれナトリウムとカリウム摂取量と慢性疾患とそれらの関係に関連した8件の鍵となる疑問にレビューは焦点を置き、ランダム化比較試験と疫学的データを別々に調べた。鍵となる疑問の中で4件はランダム化比較試験と比較臨床試験からの結果に焦点を置き、一方、他の4件は展望的なコホート研究に焦点を置いた。臨床試験に焦点を置いた疑問は効果を評価し、一方、観察研究に焦点を置いた疑問は関係を評価した。結果とエビデンスの強さはナトリウムとカリウム、血圧とそれらの関係、心血管疾患、腎臓疾患、脳卒中、疾患率、そして成人と子供と様々な部分母集団の死亡率に関する疑問を調査した。
含まれている研究の偏向危険は出版されている標準化された手段を使って調査された。これらにはランダム化比較試験についての偏向手段のコクラン危険と観察研究間の偏向危険についてのニューカッスル-オタワ手段があった。他の考察されている偏向源は資金源、潜在的な利害衝突、系統的誤りの可能性、ナトリウム摂取量調査の無作為の誤りである。
研究の限界、結果が関心、一貫性、推定を巡る確実性の度合い、報告されている偏向の真の結果をどの程度表しているかを考察することにより、エビデンスの強さは調査された。エビデンスの強さの程度は確定された。このレビューの場合、エビデンス等級付けで高い強さを受けた結論はなかった。結果は中程度のまたは低いレベルの強さであったか、または不十分なエビデンスが引用された。エビデンスがないときには不十分な等級が指定された。
表3に報告書結果を要約した鍵となるメッセージを提供する。報告書の包括的な結論は“減塩、カリウム摂取量増加、そして食事中にカリウムを含む塩代替物を使用することは特に高血圧者で意味あるほどに血圧を下げる。塩摂取量は全死因による死亡の危険率と関係しており、減塩は心血管疾患罹患率と死亡率の危険率を低下させるかもしれないことも限られたエビデンスは示唆している。”ランダム化比較試験は血圧低下に及ぼす減塩の効果を示す最高のエビデンスを提供し、したがって、成人の高血圧発症率を低下させる。高塩摂取量は高血圧発症の危険率増加と関係していることを明らかにした観察研究からの結果とこれは緊密に提携しているが、結果は低いレベルのエビデンスであるように思えた。
表3 医療研究品質局報告書の鍵となるメッセージ“ナトリウムとカリウム摂取量:慢性疾患結果と危険率に及ぼす効果” |
● 減塩は正常血圧成人でほとんど血圧を下げ、高血圧者ではもっと下げる。 |
● 高塩摂取量は高血圧発症の危険率増加と関係しているかも知れない。 |
● 塩摂取量を低下させるためにカリウム含有の塩代替物の使用は成人の血圧をもっとも下げそうである。 |
● カリウム摂取量増加は高血圧成人の血圧をもっとも下げそうである。 |
● 全死因による死亡は塩摂取量と関係しているかも知れない。 |
● 減塩は心血管疾患罹患率と死亡率を合わせた危険率を低下させるかも知れない。 |
指定された採択基準に合った全ての研究は採択され評価された。結論はランダム化比較試験からのデータに主に基づいていたと著者らは述べた。中程度のエビデンス強度であることが判明した結論は臨床試験結果に基づいていた。観察研究に基づいた結論は低いレベルのエビデンス強度に評価され、観察研究を軽んずるGRADE(勧告評価の評価、開発および評価)アプローチと一致していた。利用できる一番のエビデンスは一般的に部分母集団の限られたエビデンスのある成人にあった。データ評価の挑戦は研究設計を含んでおり、それはレビューのための鍵となる疑問に答えるために開発されていない。エビデンス根拠の限界は研究された集団、介入/摂取量、比較対象データ、成果、タイミングと期間、背景、研究設計の本質を含んでいた。
ランダム化比較試験は食事と健康の関係を確立するための基準または標準と考えられているが、一般的にそのような研究は慢性疾患の結果を評価するためには可能ではない。慢性疾患を発症させるために必要な時間とコストのためである。観察研究はこの場合に有用であるが、限界には偏向の高い危険率、残っている混乱因子、測定エラーを起こしやすい自己報告に関する信頼性、そして結果の不一致がある。ナトリウムとカリウム摂取量を評価することは難しい。一番良い方法は24時間以上の多数回尿調査である。展望的なコホート研究のほとんどは一回の24時間尿排泄量測定、24時間尿排泄ではなく1日または2日間の食事思い出し、状態を評価するための推定ナトリウム排泄量、または食事頻度アンケートを通したナトリウム摂取量を報告した。研究設計の多くの詳細を省略、または利益相反の記載省略のために多くの研究のために偏向の危険性を調査することは難しい。
この総合的なレビューはナトリウム、カリウム、そして慢性疾患について言えば、研究の状態に関する鍵となる要約を提供している。研究についての基準を含めるか含めないかと研究の品質を尋ねた特別な疑問は結論とエビデンスの強さに影響を及ぼす鍵となる要因である。このレビューは食事参考摂取量委員会の考察のために重要な一部であるが、十分なデータが利用できるとすれば、十分な摂取量と上限摂取量を設定し、可能であれば推定平均要求量までも同時に委員会は他のエビデンスを考察するだろう。
慢性疾患の終点を食事参考摂取量に組み込む
歴史的に医学研究所(現在の国立科学・技術・医学アカデミー保健医療課)のコンセンサス委員会によって検討された栄養摂取量勧告値は食事参考摂取量の中で発表されてきた。これらは年齢、性別、異なった生活段階(例えば、妊娠)によって健常な個人やグループの必要量に基づいている。そのような食事参考摂取量は必須であると認定された栄養素のために進展してきており、欠乏症の予防から十分な量を確保し、毒性を防ぐことを意味していた。
食事参考摂取量の検討でどうして慢性疾患を考えたか?慢性疾患は6ヶ月間以上長く続く疾患で、アメリカ合衆国とカナダで疾患と死亡の主因である。アメリカ成人の50%が慢性疾患で、25%は2件の慢性疾患である。トップの慢性疾患には心疾患、ガン、肺疾患、アルツハイマー病、二型糖尿病がある。
食事成分が慢性疾患の危険性減少または増加で役割を演じているかもしれないことを示唆する新しいエビデンスがあるが、慢性疾患のために食事参考摂取量を検討するための体制はない。したがって、保健医療課はそのような指針を検討する委員会を招集した。この報告書は概念と方法論の挑戦をレビューし、慢性疾患の食事参考摂取量を検討することで考慮すべき正当化の原理を勧め、方法論の挑戦と慢性疾患の食事参考摂取量を検討するためのオプションを明らかにした前専門委員会の発表に応答した。
慢性疾患の食事参考摂取量に関するナトリウムとカリウムに関連した鍵となる問題は(1) 慢性疾患の結果を評価する、(2) 摂取量-応答関係、そして(3) 原因についてのエビデンスを審査することである。慢性疾患は多数の危険因子により複雑で、結果の定義は特殊型により一層複雑である。心血管疾患の場合、これらには冠状動脈疾患、脳卒中、心不全そしてその特殊型、不整脈、心筋梗塞、心拍停止、致命的と非致命的な外科手術イベントがある。
理想的には、慢性疾患の最高の終末点は受容できる診断基準または複合終末点を使う疾患の発症である。しかし、食品または成分と慢性疾患の関係が原因となるとき、適格な代替疾患指標が使われるかもしれない。適格な代替指標は、それらが疾患への原因となる経路上にあることを確認するために十分なエビデンスのある指標である。代替指標の使用はコスト、時間、計算上の問題のために慢性疾患終末点よりもランダム化比較試験で使用するためには一層可能である。代替指標は栄養と慢性疾患との関係の実質的な部分を説明できるべきであり、分析的に確認されなければならない。ナトリウムとカリウムの食事参考摂取量の設定に関連しているのは血圧で、血圧は心血管疾患用の代替指標として食品医薬品局によって適格とされている。
定量的な摂取量-応答関係が存在しなければならないことを指針報告書は述べている。因果関係の本質は食事参考摂取量を検討するために理解されなければならない。摂取量と応答関係は必ずしも線形ではないことを含めて、幾つかの挑戦が明らかにされた。絶対的ではない相対的な危険率が一般的に発表されている。摂取量-応答関係は連続的であるので、食事参考摂取量は範囲として述べるのが一番良いと報告書は勧めた。範囲を設定することは、一般的に1つの数値である十分量として伝統的に設定された食事参考摂取量と比較して慢性疾患の食事参考摂取量用の鍵となる差を示している。栄養素が1つの慢性疾患以上の危険率に影響を及ぼすとき、食事参考摂取量は個別について検討される。
報告書は因果関係についてのエビデンスを判断するための原則を確立した。専門家チームが必要とされ、彼等は科学的疑問のために考察するエビデンスの全体性のレビューのために確立されたプロトコールに従っている。委員会は栄養素-慢性疾患エビデンスを評価するGRADE系の使用を勧めた。それは幅広く使われており、エビデンスの品質と確実性と勧告値の強さを等級付けする明白なアプローチである。
エビデンスの確実性は研究間のそれぞれの結果のために評価される。ランダム化比較試験が高い格付けを仮定し、低い格付けの観察研究で、研究の格付けを高くしたまたは低くした他の設計解釈で始まる。ランダム化比較試験については、研究に制限、不正確、結果の不一致があり、そして出版偏向があれば、格付けを下げるように修正する。観察研究については、大きな影響があり、投与量応答関係が観察され、そして混乱因子が影響を最小化するようであれば、格付けを上げるように修正する。各結果について最終格付けは“高い、”“中程度、”または“低い”と格付けされる。GRADEを使って、慢性疾患の食事参考摂取量の検討は摂取量-応答関係の存在と同時に因果関係が存在することに少なくともある程度基づくように委員会は勧告した。GRADE系は世界保健機関を含めてエビデンスを評価する幾つかの機関によって使われている。医療研究品質局報告書チームはナトリウムとカリウムと慢性疾患との関係に関するエビデンスを格付けするのに同じ系を使用した。GRADE系はエビデンスを判断するための有用な枠組みを提供し、前の食事参考摂取量の設定では使われなかった。GRADE系はエビデンスから政策や臨床勧告へ移るためのガイドラインを提供している。
ナトリウムとカリウムの食事参考摂取量委員会は慢性疾患についての食事参考摂取量の設定に向けてエビデンスを評価するためにこれらの指針を使った最初である。慢性疾患結果と代替指標を定義する必要がある。品質の高いデータが全ての危険因子について必要である。摂取量-応答関係を測定することは重要であるが、ナトリウムとカリウムの摂取量調査が難しいことから、このことは挑戦となるかもしれない。また、全ての摂取量-応答関係が必ずしも線形ではないが、ナトリウム摂取量を定量することは難しい。指針は伝統的な毒性終末点に基づいて上限を決めることを勧めた。栄養摂取量が高いレベルで慢性疾患を増加させることをエビデンスが示せば、低い摂取量が有益であるとして関係を特性付けられる。上限が交差しているとして“明らかな線”を意味していないことに注意が必要で、慢性疾患危険率を直接的に増加させることになる。慢性疾患についての食事参考摂取量は1数値よりもむしろ幅の形とするべきである。現在、ナトリウム上限は高血圧の危険性として慢性疾患指標の血圧に基づいている。
食品供給における減塩-進展と将来目標
幾つかの事例で、食品産業界は彼等の食品中の塩含有量を減らしてきた。食料品製造業者協会が行った未発表のメンバーによる調査は、2008年-2013年の間で消費者が購入した会員製品中の塩含有量は16%低下した。アメリカ農務省に関連したアメリカで我々が食べている食品カテゴリーの全ての9品目で統計的に意味のある低下があり、関連した32サブカテゴリー中の26サブカテゴリーで低下している。総合的な低下は5年間で食料品製造業者協会のメンバー製品から購入した消費者1日当たり減塩で254 mg以上であった。
他の減塩主導からのモデル化予測は摂取量のかなりの低下の見込みを前兆としている。最近、NHANESデータを使った解析は、北アメリカで確定された自主的な基準に合わせるために市販の加工食品や既製食品の塩含有量を減らすことからアメリカ人の塩摂取量の変化をモデル化した。塩摂取量に及ぼす潜在的な影響はニューヨーク市の国民減塩指導と健康カナダのベンチマーク勧告値からの自主基準を使って調査された。モデル化で国民減塩指導の2014年目標値を適用して8.7 gから1.8gへアメリカ合衆国人口の一日平均塩摂取量の予測値が得られ、健康カナダの2016年ベンチマークを適用して1.6 gが得られた。5.8 g/d以上を摂取している19歳以上の成人の割合は国民減塩指導目標を適用して88%から71%に、健康カナダのベンチマークを適用して74%に低下するだろう。
健康カナダは自主的なベンチマーク目標値に合わせる食品業界の努力を評価した報告書を発表したところであった。2010年から2016年の間で加工食品中の自主的な減塩は一日の平均塩摂取量を8%の7.0 g/d まで減らした。これは著しい進展を示しているが、1歳以上のカナダ人の58%はまだ5.8 g/dの目標値を越えている。
2016年に食品産業界のために自主的な減塩目標値に関する指針案を発表した。目標値は“これらの目標値を達成するために食品製造者、レストラン、食品サービス事業による既存の努力を補完すること”であった。それは2から10年間設定された目標を持って前後の学習プロセスを構想する漸進的なプロセスであることを意味している。ナトリウム目標案は150種の食品カテゴリーについて設定された。参加は食品産業界により自主的であり、プロセスはアメリカ食品供給をモニターすることを通して調査される。食品会社やレストランが食品中の塩含有量を少しずつ調整する作業でこれらの目標や目的の複雑さを食品医薬品局は認識している。これらの自主的なガイドラインは、追加的な情報が利用できるようになるとき、そして食品供給が進化するとき、これらの目標値を調整する大きな柔軟性を持って食品医薬品局に提案している。さらに、上限値が設定されている。その意図は減塩技術に関して新たな科学を使うことを始めるために柔軟性と時間を持って会社に提供することである。目標値は味、テクスチャー、微生物的な安全性、そして安定性を含めて食品中の多くのナトリウムの機能を考慮した。自然に含まれているナトリウムまたは食品に加えられる塩自身は考慮されていない。
影響を最少にするために、カテゴリー別で国内販売のかなりの割合を占める製品を製造する食品製造者と全国と地域スパンのチェーン・レストランに食品医薬品局は特に採用を奨励している。表4は5種類のスナック食品についての幾つかの目標値の事例である。図は、既製ソーセージの基準値を示し、2年と10年の目標値と平均含有量を表している食品医薬品局によって提供された事例である。幾つかの製品は既に2年と10年の目標値を達成している。
表4 5種類のスナック食品について食品医薬品局の減塩目標の事例 |
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スナック食品の事例 |
基準 mg/100 g |
2年目標 (mg/100 g) |
10年目標 (mg/100 g) |
上限 (mg/100 g) 2年/10年 |
味付けのないポテトと野菜チップス |
585 |
500 |
250 |
650/480 |
味付けポテトと野菜チップス |
774 |
630 |
380 |
830/630 |
味付けのない穀物チップス |
438 |
390 |
300 |
510/410 |
味付け穀物チップス |
674 |
590 |
450 |
750/610 |
膨化されたコーンスナックス |
1075 |
870 |
550 |
1190/900 |
NHANESデータを使った推定値に基づいて、食品産業界が食品中の塩含有量を食品医薬品局の目標値に調整すれば、多分、短期間(2年間)と長期間(10年間)の目標値は塩摂取量をそれぞれ約7.6 g/dと5.8 g/dに下がるであろう。摂取量の推定値は製品表示に掲載されているナトリウム含有量とカテゴリー当たりの様々な商品の市場シェアーを考えてから求められた。
多くの食品カテゴリーは塩摂取量に寄与しており、1つのカテゴリーで総摂取量の7%以上を構成する物はない。
食品医薬品局は自主的なガイダンスにコメントを要求しており、食品中の塩は多くの機能を果たすので、減塩目標やそれに近づけることにより派生する挑戦に関して業界からの情報を求めている。200件以上のコメントが寄せられ、多くはガイドラインを実行することに関わる複雑性を述べている。カテゴリー目標値を導き出す時に使われた方法論を明らかにすることが要求された。幾つかのカテゴリーは調整されることが勧められた。技術的な課題を考えると、新しい技術、特に食品の安定性を確保する開発と適用には時間が必要であるので、2年間と述べている産業には全く短い。革新には時間、財源、援助が必要である。また、購入パターンが進化することを考えると、製品提供で市場の変化に取り組むプロセスが必要である。
減塩の課題は残っている。表5は減塩の機会と課題に関するワークショップの議事録に適合させて減塩に関連した業界のアプローチと要因の要約を表している。加えられる塩摂取量の主な給源である塩化ナトリウム(塩)は食品で多くの機能を発揮する。塩に代わる完全で市販可能な代替物はない。塩は食品の風味を引き出すために役立ち、食品の表面に塩を使うことと比較して食品内で塩を使うこととの間には重要な差がある。例えば、塩はチキンスープの風味を引き出し、ニンジンの鮮やかさを増す。パンでは、塩はテクスチャーと新しく焼いたパンの黄金色を付けるのに役立つ。他のナトリウム塩には重炭酸ナトリウム(パンを焼くときのふくらし粉)、アスコルビン酸(ビタミンC源)、乳酸とソルビン酸(保存剤)、グルタミン酸ナトリウム(旨味)、そしてクエン酸(pH調整剤)がある。全てのナトリウム塩は食品のナトリウム含有量に寄与する。
表5 減塩に関連した業界アプローチと要因 |
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減塩への業界アプローチ |
減塩に関連した要因 |
1. 塩摂取量目標値を明らかにする |
● 細菌増殖の管理 |
2. 食品を成分に分解 |
● 腐敗と賞味期限の管理 |
3. 各成分中のナトリウム源を明らかにする |
● 適切なプロセス確認研究を行う |
4. ナトリウムを含む成分の機能的役割を確定する |
● 適切な塩代替物を見つける |
5. 試作品の再作成とテスト |
● 製品テクスチャーと色彩を維持する |
6. 官能検査を行う |
● グルテン形成を促進させる |
7. 食品安全のための加工確認を行う |
● 風味の相互作用を管理し保持する |
8. 賞味期限テストを行う |
● コストを考慮する |
消費者にとって味は大様まであり、塩化ナトリウムは味で多くの役割を果たしている。塩は塩辛さを増し、甘味と苦味を抑え、旨味を引き出し、そして酸味に影響を与えることもあり、与えないこともある。塩が減らされまたは除かれると、製品中のこれらの味のバランスは変えられる。結果として、創造的な風味と調味料は味を再調整するために適用されなければならない。また、塩味には時間的な側面があり、代替物は最初の影響、体と口の感触、長引く後味に対して解消する必要がある。解決策は多数の感覚的な側面に取り組まなければならない。塩の多くの役割とユニークで明確な味を考えると、完全な塩代替物はない。塩化カリウムのような他の代替物は苦味と渋味を抑えるのに役立つ他の成分をしばしば使用しなければならない。
したがって、塩代替物の開発では、魔法の玉や単一のアプローチはなく、解決策は特別注文で作らなければならない。答えはカテゴリー間と内の両方と製品の種類内でも変わる。それぞれのレシピや処方は個別に手作りする必要があり、消費者の受け容れ、賞味期限、そしてしばしば微生物的な安定性についてテストする必要がある。1製品についての全工程には容易に3,4年かかる。新しい減塩製品を商品化するために、試作品とパイロットプラント試験と一緒に安全性と機能研究が必要である。製品の安全性と完全性が消費者の受け容れと一緒に保証されなければならない。製品の塩含有量変化は好みと購入意向に大きな影響を与えるかもしれない。減塩製品は同じ味ではないと消費者はしばしば信じており、味覚の観点から彼等が不利益を被っていると信じれば、新しい製品を試みることさえも嫌がるかもしれない。
減塩で原料と製品開発努力が進行中である。苦味を抑え、味を良くすることが開発中である。進歩はナトリウム化合物の物理構造の変化と応用法(例えば、チップスの表面だけと製品全体に分散)で行われてきた。味覚受容体生物学、薬理学、遺伝学をより良く理解するために研究が行われている。
今日の消費者は“本当の”食品を探している。透明性が鍵で、消費者は否定的要素を取り除き、肯定的要素を加えることを望んでいる。塩や砂糖を減らすことが望まれているが、同じ程度に重要なことは人口調味料や着色料を除き、果物、野菜、全穀粒を増加させるような行動である。“偽りのない表示”の時代に、味覚プロフィールを作る多くの成分の存在は、認識できる成分表で作られた“本当の”食品についての消費者の要望と相反する。化合物のような成分の名前は嫌われる。この事例は塩化カリウムで、成分を消費者で好意的にテストした“カリウム塩”と再名付けする要望が食品医薬品局で検討中である。
ここから我々は何処に行くか?残りの疑問
ナトリウムとカリウムについての新しい食事参考摂取量
食事参考摂取量委員会はナトリウムとカリウムについての平均推定要求量を設定するために十分なエビデンスが現在あるかどうか、あるいは十分な摂取量が維持されているかどうか、そして委員会が変化を正当化しているかどうかを決定する必要がある。委員会は歴史的にそして世界的に異なった人口で検討してきたが、摂取量は変わってこなかったように思える。経時的に安定した摂取量を考え、ナトリウムは体内で多くの役割を演じていることを知っているという事実を考えると、我々が気付かない摂取量のための代謝促進因子があるか?今日の人口で生涯を通じて信頼できる十分な摂取量を設定するために我々は十分に知っているか?
ナトリウムとカリウムの食事参考摂取量に対する変化は多くの方法で栄養政策に影響を及ぼす。過剰摂取量を減らす努力で、ナトリウムとカリウム摂取量と健康に対する関係に関する疑問は2020年-2025年食事ガイドライン委員会レビューに含まれていない。その代わり、ガイドラインは新しい食事参考摂取量レビューによって設定された既存のガイダンスを参考にしている。給食計画は栄養補給補助計画、女性・幼児・子供、子供と大人のケアフード計画そして国立学校給食計画に影響を与えるかもしれない。健康と栄養含有要求量が影響を受けるかもしれない。
5.8 g/dと言う現在の食事参考摂取上限値は変えられるか?これは食品医薬品局の減塩目標を含めて数多くの政策勧告値であり、結局毎日の摂取量を表示している。許容上限摂取量の考察は、過剰であれば悪い健康結果あるいは毒となるかもしれない摂取量を明確にするために伝統的に設定されてきた。指針報告書は伝統的な毒性終末点に基づいて上限値を保持することを勧めた。ナトリウムについての現在の上限値は高血圧についての確認されている代替指標である血圧に基づいている。慢性疾患終末点を上限値設定に使用すべきでなく、範囲を考えるべきであることを指針報告書は示唆している。食事参考摂取量が範囲として示されれば、これが政策の解釈や勧告にどのように影響するか?範囲は値の不確実性を反映しているが、毎日の摂取量や食品について減塩目標をモデル化する参考値のような幾つかの栄養政策を設定することに
課題が残っている。
医療研究品質局レビューは血圧を下げることで高いカリウム摂取量についてのエビデンスは中程度の強さであることを明らかにした。カリウム摂取量を奨励するためのアプローチは大きな焦点を必要としている。公衆衛生報道、消費者教育、クレーム表現を改善すると同時に公正な表示の時代にカリウム成分の消費者受け容れを改善することは全て探求する道である。
医療研究品質局レビューはナトリウム摂取量を下げ血圧をかなり下げるサプリメントを通してカリウム摂取量を上げることの両方で中程度のエビデンス強さであることを明らかにした。
食事参考摂取量を進化させることで現在慢性疾患を検討中であるが、幾つかを慢性疾患として限定しているが、感染疾患は一般的に検討されていない。微生物と健康結果に及ぼす影響と共に感染疾患に及ぼす栄養的な影響を我々がもっと学ぶにつれて、摂取量に関して勧告値を進化させることが検討されている。
食品中の減塩
食品医薬品局局長のスコット・ゴットリーブ博士は鍵となる優先事項として減塩を明らかにした。より消費者に親しみやすい成分名を調整する業界と作業し、より消費者に親しみやすい栄養と健康主張をさせるようにし、減塩目標を正確にしようとすると、スケジュールが減塩を支持する幾つかの方法である。起こりつつある変化を理解するために定期的にカテゴリー目標に向けての進歩をモニターするために財源が必要である。食品医薬品局はこれらのモニターする努力に関してアメリカ農務省や疾患管理予防センターのような他の政府機関と一緒に作業し、減塩カテゴリー目標に関して受け取った多くのコメントを考察することになる。
塩摂取量が減るかどうか、高血圧が他の慢性疾患と共に付随して減るかどうかを調べるために、食品供給の減塩は自然な実験となる。摂取量を調査するためにより良い方法が必要である。また、徐々に減塩することは減塩された食事を好む方向に移動させられることを限られたエビデンスは示唆している。これらの自然実験は食品供給で減塩となり、上手くいけば摂取量も減らせる。このことは嗜好の変化を追跡する機会を提供している。どうして塩を検出し、なぜ塩が塩辛い味なのかを基本的に理解することが欠けている。これらの機構をより良く理解することは塩代替物の開発に役立つであろう。
消費者の好み、変化への順応、生産的な契約手段を良く理解することが必要である。消費者は明らかに自分や家族の健康と栄養状態を望んでいるが、味が決め手となる。消費者は低塩と表示されている製品を避けることをエビデンスは示唆している;したがって、密かな減塩政策が一般的に行われている。透明性の時代に、これはジレンマとなっている。消費者は多数の意識的、無意識的な決定に基づいて食品を選択している。消費者は減塩を望んでいるかもしれないことを調査は示唆しているが、自分の摂取量を追跡する方法をほとんど持っていない。ほとんどの消費者は食べ物を選ぶことで塩含有量を優先していないであろうことを理解すると共により良い方法が必要である。
食品供給の変化につれて、これは子供達にも自然の実験となっている。減塩している子供達は生涯を通して塩の嗜好を減らすであろうか?これが長期間の健康結果にどのように関係しているのであろうか?発展中の問題をより良く理解することが必要で、この分野における研究はほとんどされてこなかった。
多くの会社がしばしば雑多な結果によって彼等の食品中の塩含有量を減らす方法を探求してきた。味とレシピの機能性を含めて塩が多くの役割を果たしていることを考えると、食品中の塩含有量を減らすためには1つの大きさでは全てに合わない。レシピは個別に修正され、消費者テストをする必要がある。製品中の塩含有量の変化は消費者の嗜好や購入意欲に大きな影響を与える。味は消費者の最優先事項である。消費者は、彼等の生活様式の必要性に一番合った製品を選ぶ際に発言を求める。減塩を消費者のニーズに調整することは商売の成功とより良い人口の健康結果の可能性を引き出す。新しく調整された製品の導入で、塩含有量を下げる総合的な製品ポートフォリオを展開させるための好機となる。政府と保健専門家達は人口の塩摂取量で意味のある低下を達成させることの複雑性を認識しており、業界との協調がさらなる成功への鍵となる。