MRIはナトリウム・イオン電池内の相互作用を正確に指摘する
MRI Pinpoints Interactions within Sodium Ion Batteries
The Engineer 2020.05.04
実行可能でコスト効果のあるナトリウム・イオン電池は再充電可能な電池内部の電池化学を観察するためにMRIの使用に続いてまもなく市販できるようになる。
バーミンガム大学による研究はナトリウム・イオン電池内のナトリウム金属イオンの移動と析出を検出するためにMRI技術を開発した。
エネルギーと環境をより良く
チームによると、ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池と比較してコストと実行可能性の観点で有利である。彼等は高エネルギー密度も達成し、特に短距離輸送と静止貯蔵用に有用である。ナトリウム・イオン電池の開発に伴う挑戦には適当な陰極材料と最適化された電解質の一体化の開発がある。バーミンガム大学化学部のメラニー・ブリットンが率いているチームは、反応状態下でナトリウムがどのように移動するかをモニターするためにMRIを使っているノッティンガム大学の研究者達と一緒に技術を開発してきた。声明でブリットン博士は言った:「電池は密閉されているために、劣化したときに何が悪いかを見ることができない。電池を分解すると内部が変化し、元の欠陥が何であったか、何処で起こっていたかが分りにくくなる。「しかし、我々が開発したMRI技術を使うと、動作中の電池内部で何が起こっているかを実際に確認できるために、ナトリウムの動作について前例のない洞察を得られる。」
研究チームにはまた、バーミンガム大学の冶金材料学部のエネルギー材料グループとインペリアル・カレッジ・ロンドンからの科学者達がいる。彼等の結果はNature Communicationsに発表されている。
ナトリウムが様々な陰極材料および陽極材料と相互作用するとき、どの様に振る舞うかを科学者達は理解できるようにするだけでなく、電池内で成長し劣化の原因となる樹枝状構造の樹枝状突起の成長も監視できる。「この技術は現在他の技術では利用できないナトリウム・イオン電池内の作動中に電池成分内の変化に関する情報を与えてくれる。」とブリットン博士は言った。「劣化が生じたときの劣化機構を検出するための方法を明らかにすることができ、寿命が長く高性能の電池をどの様にして作るかの洞察が得られる。」