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血圧値に及ぼすナトリウム摂取量低減の容量と期間の効果:

ランダム化試験の総合レビューとメタアナリシス

Effect of Dose and Duration of Reduction in Dietary Sodium on Blood Pressure Levels:

 Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Trials

By Liping Huang, Kathy Trieu, Sohei Yoshimura, Bruce Neal Mark Woodward, Norm R C Campbell, Qiang Li,

Daniel T Lackland Alexander A Leung, Cheryl A M Anderson, Graham A MacGregor, Feng He

BMJ2020;368:m315  2020.02.25

 

要約 

目的 ナトリウム低減と血圧変化との間の投与量応答関係を調べ、介入期間の影響を調査する。

 

設計 総合的なレビューとPRISMAに従ったメタアナリシス。

データ源 Ovid MEDLINE(R), EMBASE, Cochrane Central Register of Controlled Trials (Wiley)および2019121日までの関連記事の参照リスト。

採択基準 成人集団間で行われたナトリウム摂取量低減の異なる摂取量を24時間尿中ナトリウム排泄量を使用して行われた摂取量の推定値と比較するランダム化試験。

結果 12,197人の参加者を含む133研究を含めた。24時間尿中ナトリウム排泄量の平均低下(低下ナトリウム量対通常のナトリウム量)、収縮期血圧および拡張期血圧はそれぞれ130 mmol(95%信頼区間115 – 145, P<0.001)4.26 mmHg(3.62 – 4.89, P<0.001),および2.07 mmHg(1.67 – 2.48, P<0.001)24時間尿中ナトリウム排泄量で50 mmolの低下毎に収縮期血圧で1.10 mmHg(0.66 – 1.54; P<0.001)および拡張期血圧で0.33 mmHg(0.04 – 0.63; P=0.03)と関係していた。血圧低下は高血圧者および非高血圧者を含め調査された多様な集団サブセットで観察された。24時間尿中ナトリウム排泄量の同じ低下について、老齢者、非白人集団および比較的高いベースライン収縮期血圧者で比較的大きな収縮期血圧低下があった。15日間以下の試験で、24時間尿中ナトリウム排泄量の50 mmol低下毎に、1.05 mmHg(0.40 – 1.70; P-0.002)の収縮期血圧低下、比較的長い期間の研究で観察された効果の半分よりも少なかった(2.13 mmHg0.85 – 3.40; P=0.002)。他方、試験期間と収縮期血圧低下との間には関係はなかった。 

結論 ナトリウム低下で達成された血圧低下の度合いは投与量応答関係を示し、老齢集団、非白人集団および比較的高い血圧者で大きかった。短期間研究は血圧に及ぼすナトリウム低減の効果を過少評価する。