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編集者への手紙

 

反対者と塩摂取量に関する詳細

More on Dissidents and Dietary Sodium

By Norm R C Campbell

Int. J. Epidemiol. 2018;47:670-673   2018.02.22

 

 現在の塩摂取量勧告値に関する彼等のコメントについて関心事に対するオドーネルらからの応答には明瞭さが不足している。明瞭さの不足は塩摂取量についての現在の食事ガイドラインの背景に隠れた科学的エビデンスをリーダーに誤解させるように導くかもしれない。

 現在の食事ガイドライン勧告値は新しいエビデンスを考慮していないとオドーネルらは説明している。それでも塩摂取量勧告値を作成するためのそのエビデンスに批判的な評価があり、高度に尊重された国と国際保健科学機関によって定期的に行われ続けており、新しいエビデンスを含んでいる。最新の主な勧告値はアメリカ人の食事ガイドラインで、それは都市と農村における前向き疫学調査(PURE)結果を含んでいた。ガイドラインは次のように述べている:‘塩摂取量を6.1 g/d以下にする…3.8 g/dへのさらなる塩摂取量低下は血圧にさらに大きな低下をもたらす結果となる’そして‘約2.5 g/dまでの塩摂取量低下は心血管疾患を約30%低下させる’。アメリカ人とカナダ人の塩摂取量参考値を更新するための複数年エビデンスをレビューする工程が進んでいる。国際保健機関によって支持された塩摂取量に関する科学を更新する毎週のメッドラインがあり、塩摂取量と結果に関する更新された文献の批判的評価は毎年出版され、現在2,3ヶ月ごとに出版されている。塩摂取量に関するエビデンス・ベースと勧告値は更新され続けている。更新されたエビデンス・レビューと国と国際保健科学機関の勧告値はオドーネルらによって提案された塩摂取量に関する勧告値を支持していない。

 現在の塩摂取量勧告値を支持する基本的なエビデンスはないとオドーネルらは説明している;それでも品質コホート研究のメタアナリシスは塩摂取量と心血管疾患の関係を示しており、減塩に関するランダム化比較試験(カリウム追加の有無)のメタアナリシスは介入グループで低下した心血管疾患を示している。メタアナリシスにおける基本的な研究は塩摂取量の範囲(現在の勧告値以上と以内)を摂取する集団について行われ、高い塩摂取量で高い比率で逆の結果を示している。最も厳密に調査された塩摂取量(数日の完全な24時間尿収集を使用)の研究で、5.8 g/d以下の塩摂取量の人々で低い心血管疾患率が観察され、全死亡率と直線関係があった。重大な設計欠陥があり低品質の研究は、専門的な政府機関と非政府機関によって行われた高品質のエビデンス・レビューの結論に影響を及ぼさない;むしろそのような研究は科学的完全性と公衆衛生に対する脅威である。不適当であるいは低品質の方法を使った研究で得られた塩摂取量と健康結果との間のJUまたは逆相関は研究方法論の産物によって説明され、いくつかの事例で、‘議論のある’JUまたは逆の結果をもたらした研究は同じデータベースを使ったその後の再解析では再現されなかった。高品質の研究が塩摂取量と主な健康結果との間で直接的な関係を示さなかったことは異常である。塩摂取量に関する低品質研究は、研究を行うについて最低限の基準を作るために主な国と国際衛生科学機関によって異常な要求を発生させている。

 2013年の医学研究所報告を参考にして、信頼できる科学的機関は塩摂取量に関する彼等の意見を支持していることをオドーネルらは推論している。3.8 g/dの塩摂取量で十分であるので、中年の成人は5.8 g/d以下を摂取し、他の年齢グループは低い摂取量にすべきであると医学研究所は勧め続けている。2013年の医学研究所報告は5.8 g/d以下の塩摂取量を調べた研究の品質についての関心を示しているが、世界保健機関レビューで使われた研究のような調査研究で品質規範を適用していない。委員会命令は2005年-2012年の8年間にわたって行われた研究を調査することであった。ごく最近、ユセフ博士の主宰の基で共同議長として前塩協会コンサルタントとメンバーとしてオドーネル博士が加わって設立された世界心臓連盟委員会は現在の塩摂取量勧告値を支持する研究の品質についての関心を表明した。それにもかかわらず、世界心臓連盟は2025年までに30%の塩摂取量低下を含むWHO世界行動計画目標に協力させ続けている。

 公衆衛生介入に関連した減塩はレニンーアルドステロン軸(RAS)の著しい増加に関係しているとオドーネルらは主張し、2013年に発表されたメタアナリシスを引用して、勧告値まで減塩したときのRASには‘ほとんど影響’を及ぼさないと異議を唱えている。それでも彼等の手紙の中で引用しているメタアナリシスは、‘減塩は血漿レニン活性のわずかな生理学的増加とアルドステロンに関係している’ことを明らかにした。時間経過したRASに及ぼす減塩の効果の減少、5 – 6週間 以上続いた研究でRASに変化はなく、全集団の塩摂取量とRAS活性との間には関係がないことを示した最近のメタアナリシスをオドーネルらは無視している。2,3日間塩摂取量を著しく変えた研究はRASを増加させるが、減塩に対する公衆衛生介入には関係していない。

 オドーネルらは彼等のPURE研究で24時間尿試料と比較して、彼等独自の相関係数を用いてスポット尿試料の採用を擁護し続けている。1986年の独創的な発表でブランドとアルトマンは次のように述べている:‘確立された測定技術と新しい測定技術の臨床測定比較で、新しい測定技術が古い技術と置き換えるのに彼等が十分に同意しているかどうかを判断する必要がしばしばある。そのような調査は、特に相関係数を使うことによってしばしば不適切に解析される。相関の使用はあやまりを導く。’その後、ブランド-アルトマン・プロットは測定法間の一致度を調査するために使われてきた。他の同様の確認研究のように、スポット試料対24時間尿試料のPURE確認におけるブランド-アルトマン・プロットは、単一スポット尿テストは24時間尿塩排泄量を調査するための確実な方法ではないことを示している。スポット試料は低い24時間尿塩排泄量で24時間尿塩排泄量を故意に過剰評価し、高い塩排泄量では24時間尿塩排泄量を故意に過少評価する。系統誤差は潜在的に曲線を描くまたは異なった勾配を示す関係を作り出して、スポット尿試料によって調査された塩摂取量と血圧や心血管疾患結果との関係に影響を及ぼす、‘悪い実行式として’目立った(PURE研究で使われた)川崎の方程式は平均塩摂取量を著しく過剰評価することを系統的なレビューは明らかにした。よおり新しい研究は個人の塩摂取量を調査するためにスポット尿試料を使用することの確実性の欠如を示し続けている。例えば、単一の24時間尿塩排泄量(複数の24時間尿塩排泄量は個人の塩摂取量を正確に分類するために必要であることを述べて)と比較して、塩摂取量を推定する単一スポット尿は個人の75%で3 g以上も不正確に最近計算した。さらに、スポット試料から24時間尿中塩排泄量を推定するために使われた公式は心血管危険率計算で使われたものと同じ変数の多くを含んでおり、総死亡数や心血管疾患の強力な予測因子である。したがって、塩摂取量と結果の関係を調査するそのような公式からの結果を使うことは不適当である。その関係は公式中の既知の危険因子(例えば、年齢、性別、クレアチニン濃度)と関係しているらしいからである。

 読者によってほとんど誤解されているオドーネルらの応答の範囲は潜在的な利害衝突の場である。CVDの製薬管理における商業利益はCVDを予防または管理する公衆衛生政策と競合する。事実、現在のCVDの疫学の多くは不健康な食事に寄与しており、製薬業界の利益の多くは疾患と危険率に関係した食事を取り扱うことから来ている。健康結果または彼等の解釈に影響を及ぼすかもしれないバイアスを調理するために開示が要求される。商業的に支援されている会議で話したことは開示を要求しないとオドーネルらは説明し、ユセフ博士によって開催された薬剤治療に関する特許や特許使用の開示をしないことを防いでいる。グループは食品業界から資金を受け取っていないとオドーネルらは主張し、一方、彼等が著名な著者である最近の発表はUnilever Health InstituteSugar Institute of South Africaからの資金提供を示しており、メンテとユセフは多数の食品関係会社からの資金提供を受けた会議の組織委員会メンバーであった。特に、医学雑誌編集者の国際委員会は潜在的な競合開示についての基準を持っている。オドーネルらからの手紙は彼等の利益競合を正当化しているが、彼等の将来の見通しにバイアスをかけられる商業資金からの自分達の利益競合(謝礼金、研究助成金、特許と特許使用料、旅費など)を開示してきたかどうかに関して彼等は不明確性を残している。

 私は、オドーネルらが私の懸念、彼等の利益競合の完全な開示、PURE確認研究の十分な解析に取り組む時に、単独のスポット試料と24時間尿試料の調査を含め透明性を持たし、データにアクセスすることをオープンにしてもらいたい。