食品産業界は塩含有量を巡る長期間の論争で
たばこと酒造業界を比較
Food Industry Compared to Big Tobacco and Alcohol
in Long-Running Controversy over Salt Content
By Harriet Alexander
Sydney Morning Herald 2016.04.17
科学は塩摂取量と健康結果との関係を引き裂いた。
“予防医学の歴史で最大の勘違い”として述べられてきた。それは塩辛い食事は健康リスクの増加につながることを示唆している一連の証拠である。
世界中の食品ガイドラインは塩摂取量で全員の減塩についての勧告で不変できたが、主要な医学雑誌は、この忠告を支持するエビデンスは不明である、と結論を下した論文でアメリカ合衆国の論争を再点火してきた。
1978年から2014年までに発表された269件の論文の解析は、塩摂取量と健康結果との関係で科学が崩され、エビデンスと見なすべきであることについても矛盾があったことを示した。
ワシントン・ポスト紙は、論争は“全ての科学の中で最も対立している事例の一つかもしれない”と言った。
しかし、科学は低塩食を圧倒的に支持し、解析は上手く行われた研究のように品質の悪い研究にも同じメリットを与えてきた、とシドニー大学の公衆保健研究者のブルース・ニールは言った。“気候の変化は最もよく知られている科学的論争の分野であり、塩論争も類似しており、…不完全なエビデンスを根拠にして操作や誤解が生まれており、強い商業的利益が片側に与えられている。”とニール教授は国際疫学会誌の解析と一緒に発表された応答に書いた。
食品産業界は塩を含む製品に商業的利益を乗せ、科学を超えて論争を促進させることによって巨大なたばこ産業と酒造産業の作戦を真似てきた、とニール教授は言った。“食品製造者として利益を得たければ、本当に低品質の製品を作る。そのような製品は安いからで、多くの塩、砂糖、油を製品に加えると、非常に美味しくなり、賞味期間も延びる。”と彼はフェアーファックス・メディアに語った。ニール教授は塩と健康に関する世界行動(WASH)のオーストラリア支部長である。
減塩食の提案者は、ナトリウム(塩)は血圧を上昇させ、それによって心臓発作、脳卒中の危険率を増加させると主張しているが、懐疑論者はエビデンスを疑っている。塩と健康結果に関する結論を引き出しているほとんどの研究はコホート研究に依存しており、それによって参加者達は普段の塩摂取量についてインタビューされ、脳卒中または心臓発作を起こすかどうかを見るために数年後まで追跡した。しかし、混乱因子について調整することは難しく、反対の結果をもたらしている。
ニール教授は中国の田舎で減塩に関する世界で最初のランダム化された試験を行っている。そこでは10,500人が塩代替物を与えられ、10,500人が通常食を続け、5年後に各グループで脳卒中数が計算される。“これを最後に疑問が解けることを私は望んでいる。”と彼は言った。
連邦政府は健康食品協力を通して食品産業界と作業することを試みており、それにより自発的に次第に塩含有量を減らして行けるように製造者を激励する。協力者を招集する地方保健大臣のフィオナ・ナッシュは、食品を再処方するために業界は“本気で取り組む姿勢”を示してきた、と言った。例えば、アンクル・トビィズは10本のムースリ・バーの塩を65%減らし、ケロッグスはニュートリグレインを含む銘柄で減塩した。“包装食品のレシピを変えることは全ての会社または銘柄で一緒に同時に返る必要があります。1社だけが製品の味を変えれば、消費者は他の銘柄に移り、目的が果たせないことを海外の経験が示してきたからです。”とナッシュ氏は言った。レシピを変えるために食品会社を奨励することは健康評価システムの目的であった、と彼女は言った。
食品雑貨協議会の副会長であるジョフレイ・アニソンは、50社以上が健康評価システムに署名し、1000製品以上を占めている、と言った。ナトリウム摂取量が1日当たり2,300 mgを超えないようにすべき長期間の勧告に業界は賛同した、と彼は言った。“業界には栄養科学の変化に対応してきた長い歴史がある。”とアニソン博士は言った。彼は現在の食事ガイドラインを作り上げた作業委員会で業界を代表していた。
塩が心臓血管疾患を引き起こすとまで広がった論争は1960年代から始まっており、当時、医者のルイス・ダールは乳児食の塩含有量について関心を持ったが、その後のいくつかの研究は矛盾する結論を引き出した。
1988年のインターソルト・スタディは問題を解決することを目的としたが、両側の研究者達は、インターソルト・スタディは彼らの見解を擁護していると主張し、うわさでは結果は聖書を読むような解釈だ、とある科学者は言った:“どのような偏向を持ち込もうとも、それを主張し続ける。”
PLoS Medに発表された2007年の研究は、食品と飲料会社でけで資金援助された論文はスポンサー会社の商業的利益に好ましい結論を引き出すことが4倍から8倍もあったことを明らかにした。
メルボルン大学公衆保健研究者のロブ・ムーディーは、加工食品製造者は減塩方法の設計で“テントの内側”に居るべきである、と考え続けたが、もはやできない、と言った。“公衆保健を守り、促進させるために設計されるあらゆる上出来な方法を貶そうと彼等は基本的に努めている。”とムーディー教授は言った。個人の選択を強調する非難‐被害者運動のある規制に反対する有権者を食品会社は勇気づけたことを彼の研究は明らかにした。食品会社にとって利益を上げる動機はなく、制裁の脅威もないので、健康食品協力は結果として減塩にすることではなかった、と彼は言った。