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医療貯蓄なくても費用対効果の高い減塩政策

Salt Reduction Policies Cost-Effective Even without Healthcare Savings

By Lisa Rapaport

Reuters 2017.02.11

 

 人々が摂取している塩をどれくらい減らせるかを設計した政府の政策はあり得る医療貯蓄を考えなくても費用対効果が高いかもしれない、と最近の研究は示唆している。社会教育や業界賛同のような政策を通して塩の使用を抑制する努力は、死亡や疾病を減らすため可能性に対して比較的多くの費用を要しないためである、と研究者達は推定している。

 “食事中の多すぎる塩が年間数十万件の心血管疾患による死亡を予防できることを我々は知っている、”とボストンにある栄養科学政策のタフツ・フリードマン校の学部長で、シニア研究著者のDariush Mozaffarian博士は言った。“1兆ドルの疑問はどのようにして減塩を始めるか、そのような努力のコストはどれくらいか、である、”とMozaffarianeメールで付け加えた。

 心血管疾患は世界中で死亡の主原因で、3人にほぼ1人が殺される。高血圧は一般的に心血管疾患の主要な危険因子であり、特に心臓発作と脳卒中ではそうである。減塩は成人の血圧をかなり下げ、それは心血管疾患の危険率低下に役立つ。ナトリウムは食卓塩だけでなく、プレッツェル、ポプコーン、醤油、ブイヨンまたは固形スープの素のような加工された食品と同じように、パン、牛乳、卵、肉、貝のような様々な食品にも入っている。心疾患の危険率を下げるために、世界保健機関(WHO)によると成人は5.1 g/d以下にすべきである。

 現在の研究については、研究者達は世界中の183ヶ国で政府が勧めている減塩プログラムの効果とコストをモデル化した。研究者達は塩摂取量、血圧値、血圧に及ぼす塩の効果、心血管疾患に及ぼす血圧の効果、そして心血管疾患率を解析するために2010年からのデータを使った。その後、非伝染性の疾患を予防する努力を調べるためにWHOからの手段を使った減塩プログラムのコストを彼等は調べた。この手段は人種、訓練、会合、供給、設備、マスメディアのような事項のコストを考慮している。

10年間で10%の減塩を達成するように設計された政府プログラムは毎年心血管疾患で現在失われている約600万人の生命を救い、年間救われた生命一人当たり204ドルの平均コストとなる、と研究者達はBMJで報告している。介入の総合的な効果はイギリスとトルコにおける最近の努力に基づいており、政府が勧めている減塩プログラムは10年間で少なくとも10%減塩できたことを示した。10年間で10%を次第に減塩してきたことは、心血管疾患で失われた他の疾患として毎年障害調整生存年数で平均して580万人を救えた。これらの中で約42%は冠状心疾患、40%は脳卒中、18%は心血管疾患の他の種類によるものであった、と研究者達は計算した。

 研究の一つの限界は、研究者達は世界人口の全てではなく大多数をカバーする2010年からの生データを使ったことである、と著者らは述べている。推定される健康利益は心血管疾患だけを考察しており、減塩で予防されるかもしれない他の医療問題を考察していない、と研究者達も指摘している。しかし、減塩による心疾患について治療を要しないかもしれない人々に基づく節約を彼等は含めなかったので、提示された節約は控えめである。

 政府の政策が食品製造者に加工食品中の塩を減らすように奨励しない時でも、消費者達は段階的に減塩することはできる、とテキサス南西医科大学の前教授Margo Denke博士は言った。彼は現在テキサス州バンデラで私設診療所で働いている。“我々はより良い選択肢を持っており、選択できる、”と研究には参加していないDenkeeメールで言った。“我々は塩を含んでいない缶詰トマトや缶詰豆類、低塩昼食肉、低塩パン、低塩チップス、低塩スープといった多くのカテゴリーで低脂肪缶詰食品を利用でき、他の食品カテゴリーはこれらの製品についてかつての需要を生じるであろうことはなくなっている、”とDenkeは付け加えた。“表示を読んで買い物かごに入れなさい、”とDenkeは言った。