レビューは減塩の利益に関して疑問を提起
Review Raises Questions on Benefits of Cutting Salt
Reuters 2011.07.06
塩の健康効果を巡る激しい論争で、わずかな減塩が心疾患や早死の危険性を減らすと言う証拠は何もない、と何人かの研究者達は言っている。
コクラン・ライブラリーが出版した総合的なレビューで、減塩は血圧にわずかな低下をもたらすように見えるが、それは死亡や心疾患の危険率を下げることにはつながらないことをイギリスの科学者達は知った。これまで行われてきた試験は心臓の健康に対して何らかの利益を示すほど十分に大きくはない、と研究者達は思っており、大規模な研究を行うことを要求している、と彼等は述べた。
“政府はかつて塩摂取量について低い目標値を設定し、食品製造者は製品から塩を除こうと研究しているが、減塩に利益と危険性を十分に理解できるようにいくつかの大規模な試験をすることが、本当に重要である。”とレビューをリードしたエクセター大学のロッド・テーラーは言った。
コクラン・レビューは栄養学の専門家達から厳しい批判をあびた。ウォリック大学でWHOの栄養共同研究センター長をしているフランセスコ・カプチーオは、それは“驚くほど不十分な研究であった。”と言った。リバプール大学臨床疫学教授であるサイモン・ケープウエルは、レビューは“失望したもので結論もなく”、塩摂取量が血圧を上げると言う公衆保健のコンセンサスを変えるものではない、と言った。
塩の摂り過ぎは健康に良くなく、減塩は正常血圧者と高血圧者の血圧を下げる、とほとんどの専門家達の意見は一致している。多くの先進国は長期間の健康のために減塩を人々に呼びかける政府認可のガイドラインを持っている。WHOは減塩リストを作り、慢性疾患率を下げるためのベスト10の買物を挙げている。