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塩を取り巻く論争

The War over Salt

The New York Times September 13, 2006

By Melanie Warner

 

 Frank Hallは、多分、ハングリーマンのディナーを食べるべきでないことを知っている。冷凍された食事は一回当たり2,230 mgものナトリウムを含んでおり、政府が老人に勧めてる1日当たりの許容量よりもはるかに多く、Hall氏の医者は血圧を下げて維持するために塩摂取量を厳しく制限するようにアドバイスしてきた。

 しかし、週に一度、孫と一緒に食品雑貨店に買い物に行くとき、80歳で心疾患を患っているHall氏はどうしても大きな青い袋を一つ二つカートに入れる。

 “それらの袋は本当に便利で、時々ちょっと使い過ぎると思う”とテキサス州ゴールドスウェィトに住んでいるHall氏は言った。

 パンからチーズ、スープ、朝食のセリアル、ファースト・フードのあらゆる食事や今では生の肉切れまで何でも振り掛け、塩はアメリカの食品供給ではいたる所にある。政府のデータによると、アメリカ人はあるかに塩を食べ過ぎている。

 今や国最大の医者グループであるアメリカ医学協会は政府に従って、食品産業界に多くの加工食品中のいつも高い塩量を下げさせようとしている。

 6月に開催された医学会の年会で、医学協会は、食品会社が製品に加えられる塩の量を食品医薬品局は制限することを勧めた。

 特に、これまで食品成分の規制を要求してこなかった医学協会は、塩が長い間“一般的に安全と認められている”物質として分類され、ほとんと取締りされてこなかった状態を取消すように食品医薬品局に要請した。その代り食品医薬品局は塩を食品添加物として規制すべきであると医学グループは言った。

 勧告が採択されると、包装食品会社は様々な食品のカテゴリーについて許容される」ナトリウム量の制限を守らなければならなくなり、保存剤や風味強化剤としての塩に代わる物の調査を促進させなければならない。

 第一歩は社会的な健康問題として塩に注目をさせることで、食品医薬品局が過剰な塩摂取量の問題にどれほど注意してきたかという疑問を生じさせた。

 それに応えて食品医薬品局は2,3か月以内に塩についての健康問題に関して当局がこれまでしたことのない何か例えば、公聴会かワークショップを準備するコメントを出している。塩の規制に強く反対している食品工業界は、会社に食品中の塩を制限させるように強制する試みを止めるように政府にロビー活動をしている。

 先月、塩協会会長のリチャードL.ハンネマンは食品医薬品局による塩規制に対してロビー活動を行うためにDepartment of Health and Human Servicesの保健部の部長代理であるJohn O. Agwunobi博士に会った。塩協会はシカゴに本社があるモートン・インターナショナルやヒューストンに本社のあるユナイテッド・ソルトのような会社を代表している。ユナイテッド・ソルト塩市場の総売上は34億ドルである。科学は全面的な減塩を支持していないとハンネマン氏は主張した。彼は少数派の科学者の同志であり、彼らの何人かは塩協会のコンサルタントであり、彼らは減塩が大多数の人々の利益になるかどうかに疑問を呈している。

 その代りハンネマン氏は保健当局が減塩の総合的な健康効果に関する総合的な研究に資金援助するように要請した。

 “減塩で起こる様々な影響があり、それらの中でいくつかはネガティブであるので、我々は血圧を下げる効果だけを考えるべきでない”とブロンクスのアルバート・アインシュタイン医科大学の疫学教授であるミカエル・H.アルダーマン博士は言った。自分は塩協会のコンサルタントであるが、給料をもらってないとアルダーマン博士は言う。

 Agwunobi博士はコメントを要求しなかった。

 しかし、ほとんどの他の健康専門家たちは、過剰のナトリウム摂取量がいろいろな健康問題を引き起こすことをずっと前に受け入れていた。アメリカ医学協会に加えて国家科学アカデミーの医学研究所や政府の国立心臓・肺・血液研究所のようなグループは、塩誘因性の高血圧は心疾患や脳卒中の大きな寄与因子であり、アメリカ合衆国では一番目と三番目の死因(癌は二番目)であることは少なくとも20年間知られてきたと言っている。

 2004年に、国立心臓・肺・血液研究所の研究者たちはアメリカ公衆保健誌に研究を発表し、包装食品やレストラン食事のナトリウム量を半分に減らせば、年間15万人の生命が救われると結論した。

 食品会社は製品中のナトリウム量を下げるように自主的に作業していると言っている。

 “産業は総合的なナトリウム量に大きな注意を払ってきた”と包装食品製造者を代表してロビー活動をする食品協会の栄養政策のシニア・ディレクターのロバート・アールは言った。“消費者が気付かないように変化させて、減、低、またはナトリウム無添加の製品を作り出すことによって20年間対応してきた。”

 そのような努力にもかかわらず、アメリカ人のナトリウム摂取量は近年低下してこない。政府の食事ガイドラインは、平均的な若い成人は1日当たり2,300 mg以下のナトリウムを摂取すべきで、高血圧者、アフリカ系アメリカ人(高血圧の危険性が高い)、中年または老人のようなある種の人々については、域値は1,500 mgであるべきだと言っている。しかし、疾患予防管理センターによると1994年の3,100 mgと比較して平均的にアメリカ人は1日当たり3,300 mg以上のナトリウムを摂取している。

 農務省によるとアメリカ人が摂取している塩の約3/4は加工食品から来ている。わずか10%が塩振り出し器からで、別の10%は食品中の自然に含まれている物である。

 “我々の食品供給中の過剰ナトリウムのために毎年何千人ものアメリカ人が死ぬ”と医学協会の科学、医学、公衆保健の副会長で塩プロジェクト擁護者の一人であるステフェン・ハバス博士は言った。“食品医薬品局と食品産業がこれらの不必要な死を減らす行動を採るように過去25年間にわたって繰り返し要求してきた。医者として、どうしてこれらのグループがこの重要な公衆保健問題を呼び掛けてきたかを理解することは私にとって非常に難しい。”

 食品医薬品局の食品添加物安全局の局長であるローラ・M.タランチーノは塩が“安全である”状態を無効にする期待は難しいと言った。“非常に複雑な問題”について規則を書かなければならないからである。6月のアメリカ医学協会会合で、当局の代表は協会にナトリウムの安全性を除去することを勧めないように、その代り食品医薬品局に全てのオプションを調査するように促した。

 食品医薬品局は塩問題に集中してきたとタランチーノ氏は言った。全ての包装食品の栄養表示にナトリウムを書くべきと彼女は言い、1993年に当局は低塩製品の公式な定義を作った。

 いくつかの批判は懐疑的で、食品医薬品局はヒアリングをあまり開催しない。公益科学センターの専務取締役であるミカエル・F.ジャコブソンは加工食品中の塩について23年前に食品医薬品局に何かをさせようと最初に試みたと言った。

 “ナトリウムは食品医薬品局でリストの最初に置くべきで、リストにも載っていない”とジャコブソンは言った。当局の食品安全応用栄養センターは優先順位の年間リストに塩を含めてこなかった、と彼は言った。

 情報の給源がないことからくる受動的な根幹や食品産業と対決するために主要当局機関間の意志不一致をジャコブソン氏は考えている。“当局が塩を規制することを言えば、重荷を背負いながら戦って行くことを知っている”と彼は言った。

 食品医薬品局と作業を進めている食品産業の他の者は削減された予算に直面している当局と優先順位の数が増えていることを見ている。“するべきことが沢山ある当局には多くの好意を持った人々が沢山いるというのが私の印象である”とOldways Preservation Trustの食品栄養戦略の長であるシンシア・ハリマンは言った。産業界が支持しているWhole Grains Councilに沿って食品問題に焦点を置いた政策研究機関は食品包装に“全穀”という言葉の使用についての基準を発展させてきた。食品医薬品局が正式な定義を作るために動かなかったからである。

 近年、食品安全性応用栄養センターに予算をつけてほとんどの食品規制を担っている部門は2007年度に25百万ドルに引き下げた。それは2003101日に47.6百万ドルで始まった。

 少ない塩でもなお美味しい食品を再構成することは非常に挑戦的であると食品会社は言っている。“甘味の機構と違って塩味の科学はよく理解されていないので、代替物を探すことは本当に難しい、”とキャンベルスープの研究開発副部長のジョージ・ダウディは言った。

 キャンベルスープは何十年もの間、塩のアスパルテームまたはサッカロース、すなわち、本当の成分ではないが、味は非常に似ている物を探してきた、とダウディは言う。

 会社は他の物、あまり完全ではない解決策を発明した。一つは自然に低いナトリウムの海塩のスープで、会社のありふれた濃縮スープのいくつかの25%減塩バージョンを準備したいろいろな調味料である。

 ConAgraは昨年中にKid Cuisine冷凍食品で18%、Chef Boyardee製品で14%、冷凍ディナーのバンケット・ブランドで19%の減塩をした。

 それらの減塩は、消費者が拒否していた減塩製品の長い歴史の間ではそれほど大きくはなかった。2003年、販売が思わしくないので、1食あたり360 mgのナトリウムを含むコンアグラの健康選択チキン・ヌードル・スープの銘柄を止めたとコンアグラは言っている。同様に、2001年に、1年以内に棚から製品を引き上げるだけでセリアル・ミルズは25%ナトリウムを減らしたハンバーガー・ヘルパーを3種類導入した。

 問題の1部は、塩が加工食品を美味しくするための容易で安い物であることだ。製造中に生ずる成分の操作は美味しさを失わせるので、後で美味しさを付ける。

 フィラデルフィアの研究センターであるモネル・ケミカル・センシーズ・センター長のガリーK.ビーシャンが言うには、塩は保存剤としても働き、食べ物にテクスチャーを与え、加工中にしばしば生ずる不愉快な味を隠すのに役立つ。

 塩は味付けのために鶏の胸肉やステーキにリン酸ナトリウムのような安い成分や水と一緒にも加えられる。そのような製品のラベルにはナトリウム含有量を表示し、味付けしていることを述べなければならない。