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低塩食は心臓に悪いかもしれない

A Low-Salt Diet May Be Bad for the Heart

New York Times May 25, 2016

By NICHOLAS BAKALAR

(訳者注: 2016.5.20の医学雑誌THE LANCETのOnlineで発表された論文を紹介したもので、減塩が危険になるかもしれないと述べている)


 血圧の高い人はしばしば減塩するように言われる。しかし、実はあまりにも薄い塩味の食事は心臓血管疾患の危険率を増加させるかもしれないことが研究をレビューして分かった。

 現在の食事ガイドラインはほとんどの人に1日当たり最高5.8 gの塩(茶さじ一杯分)を勧めており、老人や血圧の高い人にはもっと少ない量を勧めている。

 研究者たちは、平均して4年間続けた全部で133,118人について観察した4件の研究をレビューした。科学者たちは血圧値を読み取り、尿分析によって塩摂取量を推定した。レビューはランセットに掲載されている。

 血圧が高くないでない69,559人の中で、毎日17.8 g以上の塩を食べても疾患や死亡の危険率は増加しなかったが、7.6 g以下しか食べなかった人は、10.2 gから12.7 gを食べた人と比較して、心疾患や脳卒中のような心臓血管疾患の発症や死亡の危険率を26%増加させた。

 血圧の高い人では、1日に17.8 g以上を食べることは危険率を23%増加させたが、1日に10.2 gから12.7 gを食べる人と比較して、7.6 g以下しか食べないことは危険率を34%増加させた。

 オンタリオ州ハミルトンにあるマクマスター大学の疫学者である筆頭者のAndrew Menteは、あまり塩を食べないことは確かに血圧を下げると言った。

 “しかし、低い塩摂取量は有害であるかもしれない。血圧だけを頼みにすることは重要ではなく、むしろ実際の臨床事故、つまり心臓発作、脳卒中、死亡に注意を向けることだ。”と彼は付け加えた。