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減塩についての疑い

Doubts about Restricting Salt

New York Times, May 14, 2013  Opinion Page

By The Editorial Board

（訳者注： 2013.5.14 に発表された全米科学アカデミー組織下の医学研究所が減塩政策の根拠が薄弱との報告書に対して書かれたもの）

　心臓発作や脳卒中を減らすために減塩する警告が出されて数年後、そのような減塩が実際に健康とって良いという事実がほとんどないことを知って困惑している。集団のいくつかのグループでは、あまりにも低い摂取量が有害であるという新しい事実がある。

　アメリカ人の現在の平均ナトリウム摂取量は約3,400 mg/d(塩として8.6 g)である。これは茶さじ約1杯半に等しい。食事ガイドラインが勧めているのは、集団全体でナトリウムを2,300 mg/d(塩として5.8 g)に、50歳以上の老人、アフリカ系アメリカ人、高血圧、糖尿病、慢性腎臓疾患を持つ各患者を含む比較的高い危険性があると思われる集団については1,500 mg/d(塩として3.8 g)に減らすことである。

　個別の患者には必ずしも適用される必要のないこれらの幅広いガイドラインは、減塩が高血圧を減らし、減塩は心臓血管疾患や脳卒中の危険率を下げる代わりになるものとして幅広く受け入れられていたことを示す研究に基づいていた。しかし、近年になって、多くの研究が血圧水準ではなく、問題となる結果(訳者注：死亡のこと)を伴う実際の健康状態に焦点を置いてきた。

　疾患予防管理センターの要請で医学研究所は新しい研究をレビューする専門委員会を設置した。正直なところ数少なくて限られているが、健康結果のデータは危険性のあるグループについては1,500 mg/dまでにナトリウム摂取量を下げることを支持していないことが分かった。そのようなグループのいくつかについては、その水準では悪い影響があるかもしれず、2,300 mg/d以下の生活を続けることは疾患の危険率を減らすだろうと言う事実は十分にないことが分かった。そうであったとしても、アメリカ心臓協会は非常に低い水準を支持した。

　3,400 mg/dの平均ナトリウム摂取量は必ず危険であるとは委員会は結論付けなかった。その代わり、社会を惑わせることになっている問題を明確にするためにもっと強力な研究を呼び掛けた。