戻る

論争的な研究は塩が考えていたほど健康に悪くないことを

明らかにする

Controversial Study Finds Salt Not as damaging to Health as Thought

By Sarah Boseley

The Irish Times Aug. 10, 2018

 

新しい研究は塩摂取量をゼロ近くまで減らしたい科学者達の列に再点火する

 

 人々に減塩するように勧める運動は中国のような非常に高い塩摂取量の諸国でのみ意味があるかもしれないことを示唆している論争的な新しい研究によると、塩は何時も主張されているほど健康に害を与えることはないかもしれない。

 世界保健機関は5 g/d以下に塩摂取量を減らすことを勧めている-血圧を上昇させ、それは次に脳卒中を起こさせることと関係しているためである。

 しかし、人々の塩摂取量をそのように低く管理しようとした国はこれまでになく、ランセットという医学雑誌に発表した研究の著者らは指摘している。彼等の研究は、ヨーロッパ連合の国々のような国々で試みることは無意味であるかもしれない知れないことを示している、とカナダの学会は言う。

 ハミルトン健康科学の人口保健研究所とマックマスタ―大学のアンドリュー・メンテ教授と同僚達による研究は大規模で、18ヶ国の300地域社会以上で90,000人以上を含んでいる。しかし、それは直ぐに他の科学者達で騒いでいる列に再び火を付け、彼等は我々の塩摂取量をゼロ近くまで減らす運動をしている。

 血圧を上げ脳卒中を起こす塩の有害な効果は中国のような国々でしか起こらないことをメンテと仲間達は明らかにした。中国では自由に醤油を使い、それで塩摂取量が12 g/d以上にもなる。そして彼等は、非常に低い塩摂取量は多くの心臓発作や死亡を実際に起こし、中程度の塩摂取量は保護的であるかもしれないことを示唆していることを明らかにした。

 “中程度の塩摂取量では、塩は心血管疾患の保健では有益な役割を果たすかもしれないが、摂取量が非常に高い、または低い時には潜在的により有害な役割を果しているかもしれないことを示唆するエビデンスを我々の研究は追加している。これは、我々が必須栄養素と健康に期待する関係である。我々の身体はナトリウムのような必須栄養素を必要としているが、問題はどれくらい多くかである、”とメンテは言った。

 2年前に、同じチームは個人について見た同様の結果をランセットにも発表した。それを“悪い科学”と呼んだ批判者たちによって痛罵され、その結果はアメリカ心臓協会によって拒否された。

 人々の異なったグループを比較したランダム化比較試験ではない-最新の観察研究は個人よりもむしろ地域社会を見ている。それは直ちに激しい非難にあった。その主たる批判は、24時間にわたって行われる必要がある人々の尿中のナトリウム量を正確に測定していなかったことであった。

 “著者らは彼らの2016年研究の幅広い科学界からの厳しい批判のいずれも書いていない、”とロンドンのクイーン・メリー大学心血管医学教授で減塩運動CASHの設立者であるグラハム・マクレガーは言った。“これらの批判は研究で病人を使い、これにより逆の因果関係が導かれる(すなわち、心疾患で悩んでいる人々はあまり食べない、その結果、塩摂取量は少ないが、低い塩摂取量よりもむしろ死に至る病気である。) こととスポット尿測定法を使っていることである。”

 我々の身体は4 g/dの塩を必要としており、“許容最高塩摂取量は6 g/dである、”とアイルランド心臓財団は言う。アイルランドの食品安全当局によると、“アイルランドの毎日平均塩摂取量は高く、成人で約10 gである。”

 キングス・カレッジ・ロンドンの栄養・食事療法学の名誉教授トム・サンダーズは減塩運動はいくつかの国々で有益であった。“日本は常に非常に高い高血圧発症率と高い脳卒中罹患率で、1970年代に減塩政策を取り、今では発症率が非常に低くなっている、”と彼は言った。

 しかし、人々に塩を控えさせるように説得することは容易ではない、とランセットの論評でスイスとニューヨークの専門家達のフランツ・メッセルリとルイス・ホフステッターは言う。彼等は半世紀以上も前に書いたオックスフォード大学の勅任教授ジョージ・ピカリング卿を引用している:“厳格な低塩食は不味く、食欲がわかず、単調で、受け入れ難く、耐えられない。それを食べ続けるには宗教狂信者の禁欲を要する。”

 新しい研究は人々の尿中のナトリウム濃度と同様にカリウム濃度を測定し、果物や野菜に含まれるより高いカリウムは脳卒中、心疾患そして死亡率を減らすことを明らかにした。“多分、減塩福音書記者と塩添加自由論者は一時的に彼等の激しい批判を忘れて、カリウムの豊富な食事は積極的な減塩よりも実質的に大きな健康利益をもたらすという仮説を支持する、”彼等は書いている。