塩について聞いてきたことは全て間違い、トップ科学者は言う:
塩で心臓発作は起こらず、減塩のし過ぎで太り、性生活を損ねる
Top Scientist Says All You’ve Been Told about Salt Is WRONG:
It Won’t Give You a Heart Attack – While Having Too Little Will Make You
Fat and Ruin Your Sex Life
By Dr James Dinicolantonio
MailOnline 2017.05.27
● 減塩のし過ぎはインスリン抵抗性を上昇させ、糖尿病の危険率増加さえきたすかもしれない、と第一流の心血管研究者は言う
● 塩は血圧を上昇させると言う危険な神話は100年以上も前に始まった
● 現在の一日当たりの塩摂取量ガイドラインの制限値は6.1 g
● 例えば、平均的な韓国人は10.2 g/dの塩摂取量である-それでも彼等は高血圧症と冠状心疾患について世界で最低の危険率である
40年間以上も我々は過剰な塩摂取量で殺されると言われてきた。医者達は、過剰な塩摂取量は喫煙や運動をしないことと同じほど健康にとって悪いと言っており、政府のガイドラインは我々に1日当たり茶さじ1杯以下に制限させている。
我々は塩を使って調理しない、食事に塩を振り掛けないように、と言われてきた。白人スタッフは塩嗜癖ではないが、塩は極めて有害であるとのメッセージを発する。塩の摂り過ぎは高血圧症の原因となり、さらには心臓に損傷を与える。我々は塩なしで侘しく、味気ないが健康に生きることを学ばなければならない。
さて、ここで私はこの様に言われていることが全て間違っていることを話そう。ミズリー州のセント・リュークス中部アメリカ心臓研究所に勤務している優れた心血管研究科学者として私は保健政策と医学文献に多大に寄与してきた。
イギリス心血管協会と協力して出版しているイギリス医学誌Open Heartの私は准編集者で、いくつか他の医学誌の編集諮問委員会の一員である。
私の研究で、500件以上の医学論文と塩についての研究からのデータを調べてきた。そして私が学んできたことは次の通りである:この減塩という考え方を支持する信頼できる科学的エビデンスはなかった。私が新しい本で説明したように、さらに塩摂取量が少ないとインシュリン抵抗が増加し、脂肪蓄積を増加させ、糖尿病の危険率を増加させさえするかもしれない-性欲を減退させることは述べていない。
現在の1日当たりガイドラインはナトリウム2.4 gまでに制限しており、それは塩6.0 gに相当し、茶さじ1杯より少し少ない。
高血圧症であれば、または-60歳以上またはアフリカ系アメリカ人-のような高血圧発症の危険率が高いと考えられるグループに属しておれば、医者は1日当たりの塩摂取量を茶さじ2/3杯に下げるように忠告する。
しかし、塩は必須栄養素であり、我々の体は生きるために塩に依存している。そしてそれらの限界値は全て我々の自然の天性に反している。人々が好きなだけ多くの塩を摂取しても良い時、彼等は1日当たり茶さじ約1杯半で落ち着く傾向にある。これは世界中の全ての文化、気候、社会的背景を横断して真実である。
減塩するために苦闘してきたとすれば、塩欲求が正常であり、生物学的必要性は、喉が渇いて水が欲しくなることと似ていることを学んで安心することになるかもしれない。
我々は本質的に塩気のある人々である。我々は哀願し、汗で塩を失い、体の細胞は塩辛い体液に浸かっている。塩がなければ、我々は生きられない。このように塩が作用するのは我々の体だけではない。
塩への渇望が、壁に析出している硫酸ナトリウム結晶を舐めさせるためにケニアの象をエルゴン山の真っ黒い洞窟に歩いて行かせる。ゴリラは多くの塩が入っている糞を食べるために象を追って行くことが知られており、また、お互いにグルーミングしているサルはノミを食べるためにそうしているのではなく、塩辛い皮膚の分泌物を楽しんでいる。
塩は生命にとって不可欠であるので、塩欠乏はヒトを含めてあらゆる動物で自然の避妊薬として作用する。
減塩食は性欲を減退させ、妊娠の機会を阻止し、幼児の誕生時体重に影響を及ぼす。減塩食は勃起不全の危険率を増加させ、疲労、女性が妊娠できるようになる年齢を増加させることを臨床研究は示している。
塩は体を事故や他の外傷に耐えさせるのに役立つ。大出血の他に、例えば、火傷のような-ショック状態で他の体液の損失を経験する。傷ついた部分を液体に浸して素早く回復させるように、体は血液循環を維持し、血管虚脱を防ぐために塩の貯蔵を必要とする。
それなのに、どうしてほとんど全ての医者は、塩は体に悪いと言うのだろうか?
塩に関する伝統的な意見は簡単な仮説に基づいており、それは塩の食べ過ぎは血圧上昇にいたる、と言い-それでお終いである。
しかし、非常に多くの極端に単純化された理論と同じ様に、これは間違った科学と合わさって基本的な誤解に基づいている。
間違った仮説は次のように進む:塩を食べると、喉が渇き、多くの水を飲む。過剰な塩は血液の塩分を薄めるための水を保持させる原因となる。その水は血液量を増加させ、それで血圧が上昇することになり、したがって、心疾患、脳卒中、他の重大な状態となる。
これは理にかなっているが、問題がある:事実はそれをバックアップしない。医学文献のエビデンスは、塩摂取量を増加させても正常血圧者の約80%は血圧上昇の兆候を示さない。
前高血圧者または高血圧者の中で3/4は塩に対して感受性ではない。そして完全な高血圧者の中でも半分以上-約55%-は全体として塩の効果に対して免疫である。塩は血圧を上昇させると言う危険な神話はフランスの科学者アンバードとボーシャードにより100年以上前に始まった。彼等はわずか患者6人の研究に関する結果を基にしていた。後継研究者達は彼等のデータを誤解し、間違って使い、確実な事実に基づかないでメディアの注意を引く理論を作り上げた。
最初の50年間にニューヨークのブルックヘブン国立実験場のルイス・ダール博士は科学を彼自身の偏見に合わせようと決めた。‘強い信念’の男である彼は、日本人は高血圧者が多く、一方、イヌイットはそうではなく、それは食事中の塩の量のためであると主張する人種理論の提案者であった。彼は齧歯類の実験でこれを証明することを提案した。しかし、ダール博士でも強いて認めたように、通常のラットは塩に対して感受性ではなかった。塩は血圧には何も影響を及ぼさなかった。そこで彼は、今や‘ダールの塩感受性ラット’として知られている種を作り出すために何代も交配させた繁殖を通してラットを選択的に変更して行こうと決心した。それは正しかった:ダールは実験室で塩感受性ラットを作り出し、塩が血圧に影響を及ぼすと言う仮説を証明するためにそれらを使った。塩は食べ物に加える調味料以外の何物でもないと言う概念をダールは普及させた。人類は勧められている量の1/4で生き延びられると主張し、それを証明した医学論文を引用した。しかし、彼が進めた論文をよく読むと、危険を知らせている:低塩食への1945年の実験は人を殺したかもしれない。
減塩食を食べさせられた一人の患者は、組織への酸素と栄養素の供給が不十分で、その後まもなく死んだり、他の持続的な循環器系虚脱が起こった。塩欠乏の昔からの症候である。ダールの最も劇的な実験の一つは、人の高い塩含有量の幼児食を彼の特別な塩感受性ラットに与えることであった。それでラットは死んだので、ダールは、幼児食が人の幼児にも致命的であることの証明として宣言した。もちろん、人の幼児はラットよりもずっと大きく、塩感受性ラットは高血圧で苦しむよう遺伝的に設計されていた。しかし、部分的にこの研究に基づいて、小児科アメリカ・アカデミーの栄養委員会は、幼児は塩を摂り過ぎており、製造者は全ての種類の幼児食中の塩含有量を下げ始めた、と結論を下した。高血圧と塩との関係は最も偽りの口実に基づいて国民の心に確立された。
しかし、この間違った情報は世界に根を下ろさなかった。例えば、韓国人の平均塩摂取量は10.2 g/dである。彼等はtteokguk、塩が沢山入っている肉汁をベースにしたスープ、海塩の入った醤油に漬け込んだ焼肉のブルゴギを好んで食べる。彼等は塩で保存したキャベツのキムチを食事毎に食べる。
それでも韓国人は高血圧、冠状心疾患、心血管疾患による死亡について世界最低の比率である。これは‘韓国パラドックス’として知られている。韓国はまた日本やフランスとともに世界で冠状動脈疾患による最低の死亡率を示す国である。これら3ヶ国の人々は通常何を食べているのか?彼等は全て非常に高い塩濃度の食事をしている。
心臓に良いと広く勧められている地中海食も正確には低塩食ではない。アンチョビやサーディンと言った物を考えてみよ。血圧が上昇しても、高塩摂取量の有益性-脈拍数を下げる、インシュリン値を下げる、副腎ホルモンのバランスを良くする、腎機能を良くする-は危険性に優るようである。
低塩摂取量は心疾患の危険性を増大させるいくつかの副作用がある。例えば、脈拍数の増加、腎機能の損傷、異常に不活発な甲状腺、コレステロールの上昇と同様にインスリン濃度の増加-糖尿病に危険因子-である。全て塩欠乏による。数十年間も不公正に悪者とされてきたこの白い結晶はこれらの疾患の本当の犯人をそらしている。
高血圧、心血管疾患、慢性腎臓疾患は全て本当の健康障害である過剰な砂糖摂取量によって引き起こされる。我々は全て生きるために塩を必要としている。しかし、もう1 gの砂糖を食べてなければ、寿命は多分延びるだろう。低塩食は上昇した脈拍数の危険性を増加させないで、実質的には低塩食は危険性を保証する、と食品広告あるいは開業医のリーフレットには書いていないことは奇妙である。この有害な効果は減塩しているほぼ全ての人々で起こる。一分間当たり平均4回の脈拍数増加で起こる損傷は、近代生活で我々の身体に加えられる塩に関連したストレスによって倍加される。
我々は低炭水化物食のような流行の食事に従って塩を失う。いくつかの医療も塩損失を引き起こす。クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、漏出性腸を含む腸の問題も塩吸収を低下させる。精製された炭水化物や砂糖による腎臓損傷は塩を保持するそれらの器官の能力を減らす。
低塩ガイドラインが予防するよりももっと多くの心疾患がガイドラインによって作り出されることを我々は知るかもしれない。ガイドラインは我々の時代で最大の公衆保健挑戦で寄与因子であるかもしれない:部分的にますます一般的になっている糖尿病の増加、まだ、ほとんど知られていない‘内部飢餓’と呼ばれている現象である。これを理解するために、我々は肥満の流行を調べ始める必要がある。これについての従来の説明は、カロリー摂取量とエネルギー消費量とのあいだの不均衡である-言い換えると、我々は消費する以上に摂取している。我々はあまり食べないで、もっと運動するように言われる、しかし、それは誰にでも当てはまる戦略ではないことは明らかである。塩摂取量が少な過ぎると不適当な変化の連鎖を作動させる引金を引く。つまりインシュリン抵抗、砂糖欲求の増加、我慢出来ない食欲と究極の内部飢餓、しばしば隠れた細胞の半飢餓として知られており、体重増加を促進させる。外観で肥満に見える人は内部的には事実上飢えているのかもしれない。
減塩を始めると、体は塩を保持するためには何でもする。不幸にして、塩保持の主たる防衛機構の一つはインスリン濃度を増加させることであり、それはインシュリン自身に対する抵抗性を高くすることになる。それで体はグルコースを細胞にあまり送り込めなくなる。そのことは血液中のグルコースを制御するためにより多くのインシュリンを分泌させることを意味している。これは体に蓄積されている脂肪を維持し、タンパク質は仕舞い込まれて保持される。脂肪はエネルギーには転換されない。さらに事態を悪くすることに、減塩はレニン、アンジオテンシン、アルドステロンのようなホルモンも刺激する。それらのホルモンは塩濃度を下げて維持することに役立つが、脂肪吸収も増加させる。
したがって、低塩食は体に脂肪を蓄積させないが、脂肪を燃やして無くすことを妨げる。‘もっと食べるのを減らしなさい’は誰にでも当てはまることではないことは当然である。
もっと悪いことに、塩摂取量を劇的に減らせば、ヨード欠乏症を発症させることもある。塩は最良のヨード給源であるからだ。我々は適正な甲状腺機能のためにヨードを必要とし、それがなければ、代謝速度が低下するかもしれない。遅い代謝速度は体、特に器官に脂肪を蓄積させる結果となり、それはインシュリン抵抗を促進させる。それで再び体重が増加する。その上、低塩食は総合的な脱水の危険率を増加させる。十分に水のある細胞はあまりエネルギーを消費しないので、これは問題となる。脱水された細胞は疲れを感じさせ、そのことでもっとカロリーを摂取させようと働き、それは直ちに体重増加につながる。
運動は現在、魅力がないように見える。体は蓄えられているエネルギーには到達できず、したがって、脳は節約モードにスイッチを切り替え、カロリーを貯えようとする。体重が増えている時でも、体のあらゆる機能はまるで徹底的な飢餓を生き残るために戦うように働く。
それではどれくらい多くの塩を摂取すべきか?多くの健康な人々は摂り過ぎについて心配する必要はない。体はどのような摂り過ぎにも対応する。健康な成人についての最適範囲は7.6 – 15.2 g/dであることを示唆している。体に聞いて見て下さい。体には‘塩サーモスタット’が組み込まれている。それは塩供給飢餓ホルモンの活性化を避ける作用で塩供給をモニターしている脳センサーの受信機で、相互に連絡しあっている。脳は体の損傷を受け易い部分から塩を除去するよりもむしろ塩を摂取量する方を選ぶ。したがって、次には塩欲求を感じ、自ずから塩を好み、塩を摂る。体は理由についてこれらのことを言う。
塩ではなく、罪悪感を捨てなさい。
出典:The Salt Fix by Dr James DiNicolantonio